今や有名となった「真・三國無双」シリーズの第1作目。前身である対戦格闘ゲーム「三國無双」(PS)とは大きく様変わりしています。
売上は33万本程度とシリーズでは最低の数字であるものの、新規タイトルとしては健闘した方ではないでしょうか。後の2、3がミリオンヒットになっちゃたもんだから余計売れてなさ感が際立ってますが。
現在はコーエーお馴染みの「定番シリーズ」で発売されていますが、ぶっちゃけ、中古屋で五百円もし(以下略)
世界観は説明するまでもなく「三国志」がベース。使用出来る武将&出現ステージは以下の通り(各陣営の「/」以降の武将、及び「その他」の武将は初期状態では使用不可)。
[武将]
蜀:趙雲、関羽、張飛/馬超、黄忠、姜維、諸葛亮、劉備
魏:夏侯惇、典韋、許褚/張遼、夏侯淵、司馬懿、曹操
呉:周瑜、陸遜、孫尚香/甘寧、太史慈、呂蒙、孫堅、孫権
その他:張角、袁紹、董卓、呂布、貂蝉
[ステージ]
「黄巾の乱」「虎牢関の戦い」「官渡の戦い」「長坂の戦い」「赤壁の戦い」「合肥の戦い」「夷陵の戦い」「五丈原の戦い」
以上の武将達で統一を狙っちゃったり己を磨いちゃったりする事になるのですが、基本操作は「□」で通常攻撃、ゲージが溜まったら「○」で「無双乱舞」(必殺技みたいなもの)と、実に直感的で覚え易く、アクションが苦手な人にも比較的扱い易いです。
■ 戦えば戦うほど
ゲームの基本ルールを大雑把に言うと、「自分&自軍の総大将を倒されないよう注意しつつ、制限時間内に敵総大将を倒す」。
今作には2つのモードが用意されていますがが、この基本ルールは両モード共通です。これを踏まえた上で、自分が所属する陣営に天下を獲らせるため奮闘する「無双モード」と、任意の武将を任意のステージでプレイする事が出来る「フリーモード」をプレイする事になります。
「無双モード」はいわゆるシナリオモード。魏呉蜀いずれかに属する武将を選び、決められた5つのステージをクリアします。
ステージ構成はステージ1と2までは3陣営共通ですが、以降は各陣営に馴染みの深い戦場に。例えば蜀武将の場合はステージ3が「長坂の戦い」で、呉武将の場合は「赤壁の戦い」、という具合。
一方「フリーモード」の場合は好きな武将とステージを選んでプレイする仕組みで、「無双モード」を前もってある程度プレイしておくと、使用可能武将やプレイ可能ステージが増えたり、各ステージで対立する2陣営のどちらに属するかを選択出来るようになります。更に「無双モード」では使用出来ない一部の武将(呂布、董卓など)で遊ぶ事が出来るのも大きな特徴。
両モードとも1つのステージをクリアするのに要する時間は、ある程度成長した武将を使い丁寧に攻略した場合(ステージにもよるが)、難易度「EASY」で大体15〜20分程度。制限時間はどのステージも1時間以上は設けられているので「時間切れ」というのは滅多にないものの、難易度によってはそれなりに時間を要します。
また、プレイ中は一切セーブ出来ないので、苦労して敵総大将を追い詰めても、返り討ちに合って死んでしまうとそれまでの苦労はあっという間に水のアワアワ。その点はシビア。
■ ステージの少なさが難問?
後のシリーズ作品とは異なり、今作の段階では武器のグレードアップやアイテム装備という概念はありません。攻撃力、防御力、ライフの上昇は全てアイテム入手で賄います。
なのでプレイヤーはひたすら敵を倒し、または自分のやり込み目標を達成しつつステージクリアを目指す事が出来る……のですが、肝心のステージ数は8種類と正直少なく、今作のマイナス要因とも言えます。
「フリーモード」をプレイする場合は、陣営を変える事によりステージを16種と考える事も可能ですが、「無双モード」の場合は、前述した様に5ステージしかプレイ出来ません。その上、序盤の2ステージは全陣営共通……つまり、どの武将でプレイしても絶対に避けられないステージになっています。
この仕様は「同ステージの繰り返しで飽き易い」というデメリットがあるものの、「一旦コツを掴めば『無双モード』をサクサク進められる」というメリットも一応は併せ持っています。両者どちらの比重が大きいのかは完全にプレイヤーの好みに拠るところとなりますが(多分デメリットが強い/笑)、どちらにせよ、発売時に購入した場合を考えると、コストパフォーマンスは低かったんじゃないかなぁ、と余計なお世話な事を想像。
以上の事を踏まえた上で、ステージクリア目指し戦闘を繰り広げる事になるのですが、その最中に気付いた事を以下に列挙してみました。ただし、これから言及するのはあくまでこの作品単体についてのみであり、「シリーズ続編で改善されている要素もある」という事実を敢えて無視した上でのツッコミだという事をご了承下さい。
これからプレイしようという方の参考にでもなれば万万歳なのです。
・イベントの割り込み
慣れてくると(慣れなくても)気になるのがコレ。そのステージ特有のイベント、有名(プレイヤーが使用出来る)武将との邂逅及びその撃破、砦や門の突破の際に挿入されるのですが、条件を満たすと問答無用で画面が切り替わるのが鬱陶しい。コンボ中だった場合は集中が途切れ、馬で敵の密集地帯に切り込んでいる最中では攻撃の勢いを殺がれ、とあまりいい事無し。オプションでオンオフ出来れば何ら問題無かったのですが……。
・群れる護衛兵
通常は頼もしい彼等ですが、時にはとんでもない邪魔者に。弓矢で狙いを定めている時に目の前にたむろって視界遮ったり、コンボを続けている最中に横入りしてきて人をグイグイ押したり、それに飽き足らず人の獲物吹っ飛ばしたり。
あと、忘れてはいけないは「馬の進行妨害」。騎乗して進軍する際、彼等に引っ掛かり馬が停止してしまうという……。プレイヤー武将の階級が上がれば吹っ飛ばせる様になるのですが、それまでが大変。妨害されてる時に限って近くに敵弓兵がいて「足止めを食う」→「射られて落馬」→「再度騎乗するも護衛兵が周囲を囲んでいて動けず」→「射られて落馬」、というパターン。暴れるぞ。
・騎乗している味方
こいつらも厄介。人が折角戦っているのに、プレイヤーと標的である敵の間に馬で突っ込んできて標的を攫っていくワケですよ。敵だったら攻撃して落馬させれば良いのですが、味方にはそれが出来ないのが困りもの。
更に、まったく逆の効果で「行きたく無い場所に後ろから押し出される」というのも有り。「虎牢関の戦い」で、関羽にこれをやられた時には泣きそうに。ライフ半分以下だったのに、無双乱舞(必殺技)中の呂布の元へと押しやられたんですもの。
・アイテムが見え辛い
倒した敵将はアイテムへと変化しますが、モノによっては混戦時に見失う事が。一番多かったパターンは、混戦の中で撃破した敵将が視界外へと吹っ飛んでしまい、どこにアイテムが出たのかさっぱり解からない、というもの。盾ならそうでもないのですが、一番サイズの小さい「青銅の剣」あたりになると本当に人混みに紛れてしまいます。そして、探し回っている内に消えてしまったという事もしばしば。むぅ。
・敵兵行方不明
混戦時、描画処理の都合なのでしょう、間近にいる筈の敵兵(味方もだけど)がステルスかましてきやがります。それでも駄目なら激しく処理落ちしスロー映像に。
個人的にステルスは左程に気にならないのですが(画面右上マップで確認出来るので)、処理落ちはちょっといただけないかな。どのみち、あんまり気にはならない点ですが、一応。
ざっと挙げればこのぐらい。
一応、「敵武将が何度も回復するのがイヤン」というのもあるのですが、これは私の腕がヘボいから上手く捌けないだけなので、文句言うのは我慢する事にする(笑)。
■ シンプルだが手堅い。
個人的にこのシリーズの長所の1つだと思っている点に「三国志に関する知識が無くてもOK」というものがあります。ゲームの基本的なシステムさえ肌に合ってくれれば、多勢VS一人のアクションゲームとして存分に楽しめる造りになっているからです。
勿論、知識が有ればより一層楽しめる事も事実。「何でアンタが戦うの」「何でこのステージにアンタがいるの」など、史実をぶっちぎりで無視している部分に対しツッコミを入れたり。
しかし、この史実から乖離している部分は面白さと同時に欠点としても挙げられがち。要するに「プレイヤーの好み」に大きく左右されてしまう部分で、これを受け入れられるかどうかでゲームに対する評価は全く違ったものになってしまう様です。
私個人は全然ッOK。そうじゃなけりゃあ阿斗(劉備という武将の子供。赤ん坊)がアイテム扱いされている事なんて許せないと思うの(笑)。
何やら全体的にネガティヴ要素ばかり並べ立ててしまいましたが、個人的には「シンプルだが手堅い作品」というイメージを持ちました。
正直な話、4まで発売されている現在においては、操作性やシステム等々に不便さが滲む今作をプレイする意味はあまりありません。グラフィックも格段に見劣りしているし、2以降で無双シリーズのファンになった方がプレイすると苛々させられる部分も多いかと思います。
一方、無双未経験者の方はこの作品から入ら……ない方がやっぱり良いかも(笑)。武将が育っていないと一番低い難易度「easy」でも若干苦労するので、この手のアクション初心者なら尚更。勿論、アクションに慣れている方や「ゲームは手強くてナンボ」という方ならばその限りではありません。
また、所謂「無双系」ゲームでよく問われる「爽快感」についてはちょっと微妙。敵が紙の様に感じられるというより、「堅いものを力で吹っ飛ばす」感覚が手に残るのです。
単調であるが故に作業ゲー的要素があるという点は否めませんが、逆に「地道な作業」でキャラを強化する事に対し何の抵抗も無いどころか喜びすら湧く、というゲームマゾヒストな方には、是非触ってみて欲しい作品。
やり込み要素も「キャラの強化」や「クリアタイムの短縮」「撃破数アップ」など基本的なものばかりなので、過剰に派手な演出や要素を苦手とされる方には、尚更おススメ出来る硬派なタイプのゲームです。
それでは最後に、どーしても我慢出来なかった事をひとつ。
・スタッフロール時のBGM
タイアップが悪いとは言わない。「move」に罪があるとも言わない、が。「無双モード」のEDが終わり、余韻に浸っていた次の瞬間「チェケラッチョ!」とか聞こえて来るのを想像してごらん('A`)?
[ 06/12/14 ]
【おまけ★キャラ育成覚書】
※ 前提条件:敵拠点及び敵武将は全て自分で落とすつもりで。
拠点を落とし点心を取ったら、何儀がいる迂回路を進軍、拠点を落としつつ下回りで張梁(盾)の元へ。
張梁を撃破し付近の拠点を落としたら、張梁の落石妖術が発生する道を左へと進軍し、張宝(盾)を撃破。その後は拠点2つを潰しつつ進軍し、張角の初期位置付近にある拠点を落とす。
黄巾党:
バランス良く能力が伸びるステージ。先ずは劉備達を倒しにマップ南へ。拠点を落としつつ鄒靖(剣)→劉焉(盾)→関羽&張飛(剣)→劉備(点心)の順で倒せば楽だが、防御力もしくはライフだけを上げたいのなら、劉焉→劉備の順で倒せば良い(他の3部将は副将なので撤退)。
次は西門を通り孫堅達の進軍している場所へ。程普(剣)&黄蓋(盾)&韓当(盾)→孫堅(点心)、張超(剣)→朱儁(盾)の順で。防御力orライフ狙いの場合は黄蓋&韓当→孫堅→朱儁で。マップ左下にある拠点に向かう場合は弓兵に注意。
最後は曹操や何進(敵総大将)がいる区画。ここに向かうまでに手間取っていると、曹操の副将達(夏侯淵、夏侯惇、曹仁、曹洪)が風神門周辺に到達している場合がある。が、彼等は全員剣持ちなので、攻撃力が要らない場合はそのまま曹操を倒せばOK。攻撃力が必要な場合は曹操の副将4人(剣)→曹操(点心)と倒し、盧植(盾)、皇甫嵩(盾)と個別撃破しつつ拠点3つを落とす。状況によっては大混戦となり敵の身分けが付けにくくなるので、どさくさに紛れて総大将の何進を倒してしまわない様に注意。
ちなみにこのマップを張角でスタートすると、マップ右上から徒歩で進軍しなければならない。マップ南部(劉備軍の付近)に到達するまで1分程度かかる。
防御力&ライフの強化だけが狙いの場合、拠点を全て自分で落すのは勿論のこと、李カクの副将である賈詡、虎牢関を護っている李儒、虎牢関内にいる貂蝉はそれぞれ盾を持っているので優先的に倒す。
特に賈詡は李カクの副将なので、先に李カクを倒し撤退させてしまわない様に注意。
呂布(剣)は、「ライフ&防御力は既にMAX、攻撃力も残り8(以下)でMAXなんだけど、もう呂布以外に剣持ち武将がいない」という極端な場合以外は無理に戦う必要はない。慣れていないと無駄に時間がかかるだけ。
董卓軍:
ライフアップ、もしくは防御力があと1目盛り分、という時に最適なステージ。
大抵の武将は曹操軍の目の前からスタートし、少し進むと曹操の副将(夏侯淵、夏侯惇、曹洪、曹仁)と遭遇する。攻撃力が不要の場合は彼等を無視して曹操を倒し点心ゲット。そのまま弓兵に注意しつつ北上し、拠点を落とす。
その後、袁紹(敵総大将)の初期位置周辺にある拠点2つを落とす。後回しにしてもいいが、そうすると徐栄軍に陥とされる可能性が高いので今攻めるのがベター。その際は勢い余って袁紹を倒さないよう注意。
袁紹背後の拠点を落したら劉備軍のいる地帯へ。劉備と公孫瓚を倒し点心×2をゲット。この場合も、袁紹背後の拠点を落とすのにモタついていると、戦況次第では徐栄軍に劉備軍を横取りされる場合があり。注意。
その後は孫堅軍のいる地帯に向かうが、先に寄り道して張郃(盾)を倒したり、水関上の点心を取っておいても良い。張郃の所に味方軍が押し寄せている様なら、速やかに倒しておく。
孫堅軍は盾持ちの韓当と黄蓋→孫堅(点心)の順で。撃破後はマップ左上の拠点を落し、後は袁紹を倒すだけ。
ちなみに、貂蝉でプレイする場合はスタート地点が虎牢関の中(マップ南)の上、馬が無い。先ずは水関で点心を取り、そのまま真っ直ぐ北上して顔良や文醜あたりから馬を奪うと良いかも。
先ず北上し楽進を撃破、更に北にある拠点を落とす。その後マップ西にいる徐晃を倒しつつ奥の敵拠点を潰す。
その後はマップ西を北へ向けて進軍、北西にある拠点を落としつつ于禁&張郃を撃破。マップ西部を一掃したら北回りで東へ。途中、曹操軍の本隊がマップ西部に出現するが、今は放置して拠点を落としつつ南下する。
マップ東部で待ち構えている曹仁については、彼の副将である李典を倒したい場合は一旦無視し、マップ東南で李典を撃破&拠点を陥落させた後、再度北上し改めて撃破。
その後、今度は南回りでマップ西部へと進軍し、夏侯淵、夏侯惇、張遼のうち、手前にいる連中(笑)から撃破。
この3人の進軍の仕方は戦況によってまちまちで、アクティヴに進軍して来る時もあれば、マップ西部でウロウロしている事もある。運が悪いと(?)、張遼は出現位置(北部中央の拠点付近)から全然動いてくれない。
マップ西が改めて片付いたら今度は南へ。弓兵に注意しつつ、進軍して来ているだろう典韋や許褚(既に倒されている場合有り)、曹丕、曹洪あたりを撃破。余裕があったら箱を壊して阿斗もゲットし、曹操がいる方面へ。
曹操周辺には曹彰、夏侯恩がいる。夏侯恩は「青スの剣」(攻撃力+10)を持っているので意地でも倒したいところだが、彼は戦況によってはマップ北の拠点へ向けて退却するので要注意。マップ北部へひたすら進軍する謎の敵集団がいたら、夏侯恩隊の可能性高し。逃亡開始する条件は不明だが、私が目撃した(3回ほど)時は曹操軍武将を殆ど倒している場合だったので、それが関係あるのかもしんない。
何はともあれ、心配な方はマップ南部に進軍を始めたら、典韋や許褚はひとまず無視し、真っ先に夏侯恩を倒すといいだろう。
黄蓋(&陸遜)を倒したら、盾持ちの呂蒙、周瑜、韓当、程普を速やかに倒し、夏侯惇が進軍しているマップ西の敵拠点を落としにいく。ここが一番味方に落とされ易いのだ。余裕があるなら敵本陣に乱入して孫権から馬を奪っても良い(笑)。
また、この辺は戦況によっては鬼の様に敵弓兵がいるので要注意。
西の拠点を落としたら、太史慈(剣)を倒しつつ彼の初期位置付近にある拠点を落とす。その後はマップの南端沿いに敵本陣に侵入し、孫権の動きに気を付けつつ拠点を陥落。そのままマップ南東に向けて移動する。
敵本陣内の拠点は最後にしても良いのだが、たまに進軍してきた夏侯惇軍に落とされる事があるので念のため。
マップ南東では、大量にいるだろう弓兵に注意しつつ2つの拠点を落とし、もし残っていたら、周泰(剣)を倒すのも良い(放っておいても大した影響は無し)。
曹操軍所属の武将でプレイする場合、要領は大体同じだが、スタート位置によってはマップ西南回りで進軍する必要があるため、火計が起こってしまう事もしばしば。その点は一応注意。