HYDLIDE SPECIAL [ 東芝EMI/'86 ]
SFC 剣と魔法とお姫様救出と地獄の様な謎解きと。

ちょっと濁ったクリーム色のカセットが珍しい、FC用アクションRPG(かな?)。'84年に発売された名作「ハイドライド」からの移植。残念ながらオリジナルをプレイした事が無いのでFC版とのプレイした上での比較等はここでは出来ないが、数年前に「ハイドライド」の復刻版が発売され、携帯電話用(Vodafone・EZweb)ゲームとしてリメイクされていたりもするので「ハイドライド」そのものには案外触れやすいのではないだろうか。

復活してしまった魔王バラリスを倒し「フェアリーランド」に平和を取り戻すため、そしてバラリスによって3匹の妖精へと姿を変えられてしまったアン王女を救い出すため、ジムという名の青年が立ち上がりました! 頑張って! ……というのが大筋のお話。
大昔、剣や魔法の世界にドキドキする様なガキんちょだったワタクシは、このソフトが家に来た際に(多分兄が借りて来たのだと思う)大喜びで飛び付いたものです。
タイトル画面で怪獣(魔王バラリスだったらしい)がお姫様に向かって炎の様なものを吐き出した途端、お姫様は三匹の妖精になってしまった……もう、これだけで当時の私は「助けなきゃ!」と思うわけですよ。もう小学生にはなってたんだけど、馬鹿だったんだね。

んで、当時の私は「クリアしてやる!」という気概で取り組んだのは良かったが、挫折するのも早かった。
ちゃ〜ららら〜ん♪ などと軽快な音楽と共にフィールドに放り出され、何をすべきか不明なまま周囲を徘徊していたスライムにどつかれ、ジム君がクルクル回り出したかと思うとあえなくGAME OVERになってしまったから。お陰様であのゲームオーバー時のメロディだけは十数年経過した今でも頭の中にこびりついて離れない。何か「はい、ここまで!」って感じのな。
己が太刀打ち出来ないと解るとお子様(私だけ?)は薄情なもので、当時出回っていた無敵になる裏技を使ってプレイするワケです。が、それでもクリア出来ないの。アクションならともかくRPGだからネ。謎解き出来ない事にはクリアは無理だったのだ。そして結局、クリアどころか序盤のスライムの倒し方すら不明のままソフトと別れを告げてしまった私がいた。

昔の馬鹿な思い出話はさておき、このゲームを一言でいうと、とてもシンプルかつコンパクトにまとまったゲームだと思う。「ファミコンだから…」とかそういうのを差し引いてもだ。
ステータスはLIFE(HP)と攻撃力、MAGIC(MP)だけで、魔法も5種類しかない。主人公のジムが駆けめぐるフィールドは広いように見えるが、単に上下左右がループしてるだけで実際はこぢんまりとしている。
また、クリアまでに踏まなければならない手順も少ないので、その気になれば1日でクリア出来てしまうというこのお手軽さ。
ただ、ゲーム中に一切のヒントが無いために、うっかりすると前述の様に何をすべきか解らないままフィールドを彷徨い、理不尽に強い敵に瞬殺されるという運命も待っている。ガキんちょの頃の私が無敵技を使ってもクリア出来なかった理由は、ここにあったのだ。

正直、自力で謎を解くのはかなり難しいと思う。フィールド上や迷宮内に放置してある宝箱は別としても、木をドツいて「WASP」(スズメバチ)から逃げ回りながら妖精を助けるとか、動く木をドツいて妖精を助けるとか、魔術師2体が一列に並んだ隙に「WAVE」の魔法で倒して妖精を助けるとか、勢い余って妖精の助け方を全部言ってしまうぐらい(白々しい)にノーヒントの謎解きというものは困難。フィールドからダンジョンから、マップを虱潰しに探りまくってやっと気付くか気付かないか、といった感じだ。中には気付きようが無いものだってある。
まぁ、FCのソフトなんてそんなもんだと言われれば、それまでなんだけど。

だが、このゲームの醍醐味は謎解きではなくモンスターとの戦闘にある! ……と私は思う。例え謎解きを完全にした状態で挑んだとしても、戦闘は楽にはならないのだ。
どんなに強くジム青年(少年かもしれん)を育てていても、死ぬ時は容赦なく死ぬ。強敵(「スケルトン」とか)相手にATTACKモードで正面から突っ込めば秒殺確実だ。敵が背中を見せた瞬間に斬りかかるのが正しい勇者の戦い方なのである。少なくともこの世界では。
戦い方を誤れば即死に繋がるという殺伐ぶりに燃えないかね、ん?(←一体誰に)

ちょっとしたミスがあっさり死に繋がるものだから、最初の内はこまめにセーブ(バックアップではない)、こまめにロードを繰り返して進んでいく事になるのだが、気が急く余りにロード前のゲームスタート直後の画面でセーブしてしまい(このゲームは新規ゲームをスタートさせてからロードでセーブデータを呼び出すのです)、折角溜めた経験値が水の泡になったりする時に激しく世の無情を感じる。一回やりました、はい。

そんなこんなで、個人的な恨み辛み(?)も交えてグチグチ書いてしまったが、間違い無く「好きなFCソフト」には入っている。
特に記憶に残っているのは音楽。プレイ中終始聞く事になるメインテーマとパスワード入力画面のBGMが何だか可愛くてイイ感じだ。というか、このゲームに使われているBGMは単調なメロディの永久ループなので、ずっと聞き続けていると洗脳されている様な気分になってくる。この辺がいかにも「ファミコン」という感じがして凄く好きなのだが、それ以上に「うぉ、やっぱりファミコンだな」と痛感したのはED。
激しくヒットアンドアウェイを繰り返し、どうにか魔王バラリスを撃破してアン王女の身体も元に戻……ったまでは良かったが、画面中央に二人仲良く並んで画面には"CONGRATULATION"の文字が浮かび、その後はBGMが延々と流れ続けるのみ。……なんだよー、確かPCのオリジナルはアン王女がジムにちゅーしてたぞ! ちゅー!(←うるさい)

この感想文を書いている最中、「そういえば、このゲームを使った他のゲームの裏技があったよなぁ」などとぼんやりと思い出した。電源を入れたまま「HYDLIDE SPECIAL」のROMを抜き、次に目的のゲームのROMを入れる、ってヤツ。明らかに本体ROM共に悪影響を及ぼしそうな荒裏技だったが、昔兄達とやって遊んだ記憶がある。で、どーしても気になったので調べてみたら、解りました解りました。「六三四の剣」の無敵技だ! ……今思うと、この技発見した人スゲーですな。一体どういう理屈なのか本気で知りたいんですが。

さて、スッキリした所で最後に、今回プレイした際に書き留めたパスワードを下の方でご紹介。「このゲームやってみたい、でも経験値稼ぐの面倒」という時にでも参照して頂ければ幸い。この感想文読んじゃった上でそんな事思う人がいるかどうかはかなり怪しいけど。
基本的に、LIFEが10増えた時 or アイテムを1つ入手した時にメモってます。パスの後ろのカッコ内は、
[LIFEの数値 / 入手アイテム名 / セーブした場所 / 備考]
の順番。また、場所が書いていないパスはスタート地点から始まります。多分。あと、ちゃんと見直してるつもりですが、もし間違えてたらゴメンね(殴)。
ちなみに私はバラリスをLIFE 80で倒しておりますので、最強に育てなければスッキリしない! という方は「RUBY」入手前のパス辺りで始めて、頑張ってブラックナイトやスケルトンを狩ってやって下さい。

それでは、素敵なハイドライドライフを!(何だそのシメは)

[ 04/09/01]

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