Wizardry EMPIRE [ STARFISH/'99 ]

現在('04年時点)まで続いているWiz「EMPIRE」シリーズの原点である作品。GBC専用ソフト。
悪しき魔界皇帝を倒すため、冒険者達は魔界へと続く迷宮『魔道』へと挑んで行く、というのが大まかな筋書きなのですが、この物語を更に練り込み、仕切直して発売されたのがPSの「WIz(中略)古の女王」なんだとか。

敵の出現率やプレイヤーキャラの強さから、Wiz初心者の方に良い作品ではないでしょうか……と言いたいところですが、バグや不思議仕様の事を差し引くとおススメするにはちょっと難有り。
一方、モンスターの組み合わせパターンが少なめだったり、レアアイテム入手確率が殺人的に低過ぎたりと、Wiz愛好家の方にとっては物足り無い内容かもしれません。個人的にはMAP構成が面白い。
バグ(と謎な仕様)さえ無ければとっつき易いWizだと思うだけに、無念。

第1回〜第15回 | 第16回〜最終回
■第1回

[キャラメイク〜B1Fにて修行中]
始まりました「Wizardry EMPIRE」プレイ日記。しかもGBC版。
素晴らしいバグや謎仕様に関しては購入後に知ったので、今更逃げるのも悔しい。ハードを破壊されるでもない限りは闘ってみせましょう、という事で、いざプレイ開始なのであります。モードはマニアモードだっ。

□ ■ □

さて、Wizといえば先ずはキャラクターメイキング。これから私の下僕となって冒険してくれるキャラを作成するワケなのだが、今回は男戦士×2に、女戦士、男盗賊、女僧侶、男魔術師、女司教の計7名を取り敢えず作成。最後の司教は酒場(キャラ待機所みたいなもの)にて鑑定専門にさせ、残り6名で冒険していく。
本作は驚くべき事にアライメントは関係無しにパーティが組めてしまうので、善悪とパーティを分けないで済むのが便利なのだが、意外と面倒であるという事が後々に解る。その話はまた後で。

キャラメイクが終わったら、いざ冒険に出発。今作の目的を大雑把に言うと、『世界征服を狙う皇帝が魔界から最強の魔神(自称「魔界の皇帝」)を呼び出したのは良かったが、強力過ぎる魔神を制御出来なくなってしまった。その上、魔神は地上を無茶苦茶にしてしまおうと、魔界と地上を繋ぐ迷宮型穴ポコ「魔道」をあちこちに開け、人間が魔界に侵攻し難くなる様にしてしまったからさぁ大変。慌てた皇帝は「魔界の皇帝を倒して魔道を塞いでくれた奴には財宝と次の帝位をくれてやるぞー」とお触れを出しました』とさ。
つまり、今回のダンジョン「魔道」に潜り、魔界の皇帝とやらを倒せば良いわけだ。

そういうワケで早速「魔道」へと潜ってみる事にしたのだが、出来たてホヤホヤのパーティは虚弱もいいところ。なので、1回戦闘したらすぐに地上に戻るぐらいの用心深さでいかなければならない。そこでまずは階段付近の空間をウロウロ歩いて……みたのだが、一向に敵が出てこない。5分程ウロウロしても出てこない。
このままでは埒があかないので近場の扉まで出張。出たり入ったりを繰り返していると、漸くエンカウントした。

その後、こまめに地上に戻りつつB1Fをウロウロしていて気付いたのだが、どうもこのゲーム、モンスターが出現するポイントが決まってるっぽい。それ以外は扉の開け閉めとか通路の行き止まり等でランダムに出現している模様。
こ、これは、モンスターと闘ってナンボのゲームでは相当辛いぞ……と思う一方、普通の通路を歩く限りはエンカウントしないので全滅し難くてイイかもよ、とか言っちゃう私はどうせヘボゲーマー。

■第2回

[B1F〜B2Fにて修行中]
出現頻度が少ないモンスター共を探し回りつつ、下僕共の鍛錬を。
始めた直後から言いたい事が色々とあるのだが、まずこれから。

……回復魔法を全然覚えないってのは、仕様なんですか……?

僧侶のLV1の魔法に「レストア」という小回復の魔法があるのだが、ウチの僧侶ちゃんが全然覚えてくれないのだ。今までのWizだと最初から覚えているのが常だったのだが……。
お陰で、受けたダメージはアイテムで回復しなければならず、もう大変。敵の落としたアイテムに「?ポーション」という表記があると死ぬ程嬉しくなる始末だ。
しかも、そうこうしている内にLV2の魔法「ヒーリング」(中回復)を先に覚えちゃうしなー(´;ω;`)

それでもどうにか回復魔法を搭載(?)し、B1Fの探索が楽になったら、意を決してB2Fへ。
B2Fはウネウネと斜めに伸びている一本道沿いに小部屋が幾つかあるのだが、上下左右がループしている事に気付かないと延々歩き続けるハメになる。何故ループしているのかと言えば、空間が歪んでいるのだろう。なんせ魔界へと通じる穴だし(根拠不明瞭)。
あまり「コンパス」(地図表示)の魔法を使わないワタクシ、延々とピットと落盤に巻き込まれて「何じゃここは!」と叫んでいた次第。はよ気付け。でも、お陰でマップがすぐ埋まりましたわ。ははは。

これまで魔法の名前を幾つか挙げたところで思い出したのだが、このゲーム、魔法の名前が全然Wizでないところが笑える。本家の許諾が得られなかったのかどうかはよく解らないが、頑張って想像が付き易い名前にしてみました、という感が。確かに「デュマピック」よりは「コンパス」の方が予想し易くはあるかな?

さて、「コボルト」や「ゴブリン」の群れと闘いつつフロアを探索していると、初のNPCに遭遇。ロードのマーフィー君だそうです。Wizでマーフィーといったら#1でお馴染み「マーフィーズゴースト」を思い出す。その節は色々お世話に。そういや、このゲームのシナリオは#1の遙か以前の物語という事なので、関係あるのかもしれない。どうなんでしょ。
それはともかく、マーフィー君の言う事にゃあ、共に闘っていた仲間達は魔物に倒されたが、彼は自らの存在意義が云々とか何とか……まぁ、早い話が仲間にしてくれと言われたワケだ。だが、パーティーの上限は6人で我が下僕共も丁度6人。連れて行く余裕は無い。すまないけれど、と丁重にお断りしたら『自分は何故存在しているのだろう……』などと呟きながら立ち去ってしまわれました。そういう問答は外でおやんなさい。危ないから。

マーフィー君を見送った後も地道に鍛錬を続けた結果「ミノタウロス」ともどうにか普通に戦える様になりました。……って事で、今度はB3Fへと向かう。この、フロアを一つずつ制覇していく感覚がたまらんのぅ。

B3Fに到着したところ、いきなり背景が変わってびっくり。それまではいかにも「洞窟」という感じの岩壁だったのが、今度は壁も床も整然と石で組まれていて、格段に小部屋が多い。
あー、敵も強くなってるんだろうなぁ、と及び腰で進んでいたら大当たり。「ケルベロス」の群れに襲われ、あえなく地上に逃げ帰るハメになりましたとさ。ついでに「ダークエルフ」の団体様にも襲われたよ……。
もうちょっと、B2Fで鍛え直そうと思う。

■第3回

[B3Fにて貯蓄中]
B3Fの敵がまだまだキッツいので、B2Fで引き続き訓練。
LVがそこそこ上がってきてもイマイチなのは、もしかすると装備に問題があるのではなかろうかと(今更ながら)気付き、全面的に装備を見直す事に。
延々LV上げに励んでいたので金はあるんや! ……と、店に売ってあるもので最高の装備を揃えてやりつつ、魔道に潜ってはLV上げ&金稼ぎを繰り返す日々に突入。

ところで、Wizと言えば、戦闘後に出現する宝箱から装備品やら便利グッズ(?)を入手するのが常なのだが、今作は全っ然っ出やがらない。出ても、店で売ってある初期装備品や回復アイテムばかり。
プレイ前に読んだ色々なサイトさんのレビュー等から「レアアイテムの出現率が極道」というのは知っていたが、初級〜中級冒険者様の堅実装備品までもが出ないという状況は一体……。仕方が無いので、前回遭遇したマーフィー君の装備まで引っ剥がしちゃったよ。どうせずっと酒場に居るんでしょ! という事で(笑)。
……それでも、LVをきっちり上げながら進めば問題無く戦える様になるのがせめてもの救いか。

B3Fをひたすら徘徊していると、南西部に不思議な扉発見。脇に何かの小さな差し込み口があるのだが、現段階では開けない。これが何であるかには薄々気付いてしまったが、ここは気付かない振りをしておこう(笑)。

さて、「ダークエルフ」や「ケルベロス」との連戦にも耐えうる様になったのでB4Fへ……と思ったのだが、このB3Fにはまだ未踏破部分が残っている。だが、同じB3Fからは踏み込めない構造になっているところを見ると、おそらく一旦B4Fに降りてから回り込む必要があるのだろう。……結局はB4Fに降りる必要があるというワケか。

と、いう事で、次回は未知のB4Fへと踏み出すのでありました。

■第4回

[B3F〜B4Fにて奮闘中]
やって参りましたB4Fへ。さぁ、B3Fを埋めるべく登り階段を探せー、と、階段室から勢い良くフロアへと飛び出したのは良かったが……視界に広がるのは、整然と規則的に並んだ小部屋と壁。大雑把に言うなら、正方形のフロアの中に、これまた正方形(4マス)の小部屋が間に通路を挟んだ状態でみっしり埋まっている状態。この説明じゃ解り難いっスね、すまん。

ただでさえ魔法でこまめに現在位置を把握しつつ進まなければならないというのに、このフロアは上下左右ループはするわ、要所要所に回転床が設置されているわで、冒険者を迷わせる気マンマンなのが嫌だ(そりゃ迷宮だもの)。オマケにピットまである。ピット嫌い〜……って、なら浮いとけよ。

そんな中、B3Fへの上り階段を探しまくった結果、ありました。
……よりによって、降りてきた階段のある小部屋の、1個上の部屋に。
MAP上ではそれぞれの階段がある小部屋は画面一番上と一番下にあり、とても離れて見えるのだが……そこが上下ループの罠か。くそぅ。

ともかくも、発見した階段を登ってみるとそこは予想通りB3F南東部の未踏破部分。幸い体力には未だ余裕があったので虱潰しにMAPを埋めていると、今度は下に降りる階段を発見。そう言えば、B4Fにも立ち入り不可な一角があったっけ。

いかにも何か有りそうなB4F中央付近に降りてみると、ドアの前に衝撃の文字発見。

『まどうエレベーター かんりにんしつ』

ああ、やっぱりエレベーターあるのか。やっぱりコレが無いと後半辛いもんなぁ。
管理人室を無遠慮にズカズカ進んでいくと、誰か居る。ゲーム中のメッセージでいうところの「ローブを着た奇怪な姿のモンスター」で、そのモンスターは一行を見るなり叫んだのだった。

「なにものだ! ここは たちいりきんしだぞ!」

ここで、怒り心頭のエレベーター管理人こと「マインドフレア」との戦闘に入るわけだが、この「マインドフレア」、一言で言うなら『たこあたま』。頭部が蛸っぽい……ちゅーか、蛸がそのまんま頭部。それにしても、どこかで見たモンスターだなと思っていたら、FF(初代)にもモンスターとして出ていた。何か雰囲気的にクトゥルーっぽいんだけど(うみのいきもの)、出典はTRPG(D&Dとかあの辺り)だそうです。

たこあたまとの戦闘に勝利すると、たこ(以下略)が倒れざまにローブから何かを落とした。何だ何だと拾ってみると、それは金属製のカードではありませんか。
この時点では、このカードの表記は「?きみょうなもの」なので、一旦地上に戻って鑑定してもらった結果、魔道エレベーターの鍵となる「キーカード」である事が判明。うわ、モンスターのくせにカードキーとは生意気!

そんなこんなで冒険の幅がぐっと広がったところで、次回はB5Fへ向かいます。はい。

■第5回

[B5F〜B6Fにてトラップ発動中]
前回入手したエレベーターのキーを早速使用し、意気揚々と挑んだB5Fは小部屋だらけ。こういうチマチマした空間を少しずつ埋めていく行為には得も言われぬ喜びを感じます。変ですか、そうですか。

モンスター共との戦闘もそこまで辛くもなく、半ば鼻歌混じりで徘徊したりして油断していると、大きな落とし穴が待っているもの。……本当にシュートに落ちちゃったよぅ(泣)。

ポヒューという音と共に落とされたのは、おそらくB6F。しかも何かBGM変わってるし……。
天国から地獄とはまさしくこの事で、何が潜んでいるかも解らない恐怖に怯え、基本的に参照禁止にしている(少なくとも序盤では。面白味が半減するから)攻略MAPを開いて状況確認。すると、B6F北部の小部屋の中にいるらしい事が判明した。
エレベーターもしくは上に登る階段プリーズ! とばかりにMAPを凝視したらば、よりにもよって両者共「魔法禁止ゾーン」(禁止というか無効)を通過しなければ辿り着けない場所にあり、更に奈落の底へ。

一時はリセットしようかとも思ったが、経験値もかなり稼いでいたので容易く諦めるのも口惜しい。こうなれば玉砕覚悟で挑もうでは無いか! 敵弱いかもしれないし! と後ろ斜め前向きの姿勢で「魔法禁止ゾーン」へ足を踏み入れるのでありました。

取り敢えずは地上に戻りたいので、目指すはエレベーター。だが、そこに辿り着くには強制戦闘ポイントを必ず通過せねばならず、祈る様な気持ちでポイントへ。そして、「とつぜん けいほうがなりひびいた しばらくすると なにかが ちかづいてくるおとが きこえた」というメッセージの直後、戦闘突入。

そのポイントで出現した敵は、「ダークロード」ほか。とにかく「クリティカルされるーっ!」と恐怖に戦いた事は覚えているので、おそらく「アサシン」辺りがいたのではなかろうか。
だが幸いクリティカルは免れ、呆気なく勝利した。モンスター側はここが魔法禁止だという事をなかなか理解出来なかったらしく、毎ターン必死に魔法を唱え続けていたからだ。それを尻目に打撃系モンスターをとっとと仕留めたら、後は烏合の衆と貸している魔法系モンスターを片付け、万事OK。……よ、良かったよぅう。

そんなこんなで、一旦地上に逃げ帰りはしましたが、また懲りもせずB5F探索に向かいますよ、ええ。
……懲りる懲りない以前に、そういうゲームなので当たり前と言えば当たり前なんだけどネ。

■第6回

[B5F〜B6Fにて開き直り中]
一回トラップに引っ掛かってしまえば度胸が付いてしまうのか、大手を振ってB5Fを探索。すると、このフロアも北西部に壁に囲まれて踏み込めない箇所がある事が判明した。
こうなると、やはろB6Fから回り込むしか無いので階下に降りるためにエレベーターへ……は向かわず、先程落下したシュートを利用する事に。もう怖くないんだもんっ(笑)。
エレベーターでB6Fに侵入すると、必ず魔法禁止ゾーン&強制戦闘が待っているので非常に面倒なのだ。

降りたついでにB6Fをチマチマ探索していると、我がパーティの盗賊が何かに気付いた模様。この場合は周囲にシークレッドドアがあるという事なのだが……今居る場所は柱らしきものが点在している謎広間のまっただ中で、側にはその柱しかない。まさかここに隠しドア? ……と調べてみたら、本当にドア発見。
まさか、これもトラップじゃなかろうな、入ったら石の中とか……などと警戒しつつ足を踏み入れてみるとあら不思議。そこには何故かローブを着た男性がいて、一行に話し掛けてきた。

男性は司教で名をルーイといい、魂が見えちゃったり迷える魂を成仏させちゃったり出来るらしい。しかも、「ほれ おぬしのよこにいる たましいも しずめて みせようぞ」などと嫌な事を言う。
彼も例に漏れず仲間にしてくれと言ってくるのだが、こちらのパーティも生憎満杯。というワケでお断りすると「おぬしのよこにいた たましいは じょうぶつさせたから しんぱいは いらんぞ」という更に嫌な捨てゼリフを吐いていなくなってしまった。

B5Fの未踏破部分に入るための階段は、どうも魔法禁止ゾーンの中にあるらしい。と、いう事で、気を引き締めて禁止ゾーン探索。すると、幸い強制戦闘に入る事もなく階段発見。禁止ゾーンの中ではなく、禁止ゾーンの先にある小部屋の中だった。

階段を登ってB5Fへと戻ってみると、あらびっくり。そこはダークゾーンではございませんか。
こういう時は慌てずに、左手法ってヤツでいきましょう。左手左手……って、ギャー! ピットだ!
……それはともかく、ピットにハマりながらも左壁沿いに暫く進むと、突如NPC登場。こんな暗闇で。

「せっしゃ ロイドともうす ゆみのうでまえにかけては ていこくいちと じふしているでござる」

どう考えても忍者か侍か、という語り口だが、自己紹介からするとどうも弓使いらしい。何でも一行の話を酒場でよく耳にするのでパーティーに加わりたい、との事。勿論断りましたが。

「ゆだんめされるな このまどうのあしきようきに のみこまれぬよう…」

などと忠告して立ち去ったロイド君ですが、後に酒場で再会した際、16歳という事が判明。おっさん臭過ぎるよ……。

ロイド君と話した後も引き続きダークゾーン探索。ピットどころか回転床まで設置され、挙げ句の果てにはシュート再び。B6Fの何処に落ちるのやら、と思いきや、シュートの先はまたシュート(B6F)で、結局着地したのはB7F。え……ええぇっ!?
またしても未踏の地に落とされ、一行は心臓をバクバクさせながら周囲を観察。どうも、そこそこ広い部屋の中に降ちた模様で、部屋の真ん中にイベントが起こる床を発見。何か良い事かもしれないからリセット覚悟で乗ってみた。すると。

「よろしければ ちじょうへと おくりとどけて さしあげます ちじょうへ もどりますか?」

などと『かわいらしい かおだちをした メイドすがたのむすめ』さんが声を掛けてくれたのだ! メイド!
何でこんな所にメイドが一人で居るのだ、などという疑問は抱いてはいけないのがWizのルール。二つ返事でOKして、無事、地上へと送り届けて頂いたのでした。

次回は、メイドさんを探しに再びB7Fへと潜りまっす(笑)。

■第7回

[B7F〜B8Fにて天国と地獄中]
メイドさん目的で再訪してみましたB7F。ここはB3Fから続く魔道エレベーターの最地階らしく、ここから下はまた階段なのかしら、と少々ぐったり。

このフロアはまさしく天国と地獄。
天国は紛れもなく地上へのワープポイント……否、寧ろメイドさんの存在なのだが、地獄要素は幾つかある。
同じ様な通路や部屋延々と続く上下左右ループのMAP構成に加え、音もなくワープする同フロア内ワープポイント。そして一番厄介なのが、石化攻撃を仕掛けてくるモンスター。「ゴーゴン」やら「グレーターメデューサ」やらだ。こいつらが群れで出てきて、しかも全員石化攻撃を仕掛けてきた日にゃあ、リセットに手も伸びるというもの。

そんな恐怖のB7Fでも、暫く通ってLVが上がってくれば当然ながら多少は楽になる。ある程度の自信が付いた頃合いを見計らい、B8Fへ降りてみる事に。
そう言えば、今回の冒頭でエレベーターはこの階で終わっているらしいと書いたが、訂正。確かに魔道エレベーター「その1」(仮称)は終わっているが、北東部の小部屋にまた新たなエレベーター「その2」があった。

B8Fでエレベータを停止した際、降り口は東側と西側に二つ用意されている。ひとまず西側の出口から出てみると、暫く真っ直ぐな一本道が続き、漸く左手側にドアが見えてきた。
ドアの中に入ってみると、目の前に現れたのはまた壁。なので今度はその壁沿いに数歩進むと、またもやドアが。しかも今度のドアには何やら札が貼り付けてある。

「まものが しゅつぼつするため このいけのたちいりをきんしとする」

そうかそうか、魔物が出るのか。なら入らない方が良いな……って、ここ魔道なんだから魔物出て当然じゃん。それ以前にMAP埋めるためにゃあ入らなきゃならんのよ、という事で「レビテート」(浮く)を唱えて突撃。水を進む際はこうして浮いておかないと、結構なペースでHPを削られてしまうのだ。毒性の水なのか、それとも単に身体が冷えるからなのか。

池の中でエンカウントする敵は「ダムド」や「ゴースト」といった所謂アンデット系。でもゾンビ等は出ないので、アンデットというよりは『お化け』といった方が近いかも。
それにしても、わざわざ封印している割には大して強い敵が出ない。些か拍子抜けしつつ池のMAPを埋めていたらイベントゾーンを2つ発見。1個は後に召喚師に転職した時に利用する契約スペース(?)で、もう1個は強制戦闘ポイントだった。

強制戦闘ポイントでは『いけの そこから なにかが うかんできた』
と、いうメッセージの直後、エンカウント。敵は「ウォーターエレメンタル」やら「スキュラ」やら。
ここで危険なのは「スキュラ」で、毒は喰らうわ麻痺はするわで大変。2体程度ならどうにかなるが、運が悪いと3、4体出てくるので、一行の実力次第では全滅の危険すらあるのが困りもの。
ちなみに、強制戦闘に勝っても、別段何も起こりはしない。おそらく貼り紙にあった「魔物」ってのはこのスキュラの事なんだろうなー、と勝手に納得。

その後、探索を続けているとNPCと遭遇。部屋の隅に勇ましい男が立っていた。

「わがなは ジークフリート まどうにねむるとつたわる でんせつのアイテムを さがしている そのアイテムをつかうと あたらしい しょくぎょうに なることができるらしい どうだ? ともにさがしに いかないか?」

そう誘われたものの、いつもの様に断ると、酒場で待っているから気が変わったら誘いに来い、などと言い残し去ってしまった。……いや、だから、他の冒険者を捜して下さいってば。それにしてもアイテム使わないと転職出来ないとは不自由な所よのぅ。

さて、このB8Fは野生の王国状態。石化ブレスを吐く「ゴルキメラ」や『ぞうのババール』暗黒版みたいな「パキダーミオン」、ローブ着たダチョウにしか見えない「ナグパ」などが出現する。特に「ゴルキメラ」の石化ブレスは喰らったらまず避けきれないので、リセットに手を伸ばすしか無い。何故か敵が吐くブレスは高確率で回避出来ないのだから恐ろしい。ひー。
ちなみに、象やらダチョウやらは前に出てきた「マインドフレア」同様某TRPGからのモンスターなんだそうです。

ところで、Wiz系のサイトさんを巡っていて知ったのだが、ここB8Fのマップ構成は「武家屋敷」をイメージしてあるのだろう、という事だった。
なるほど、池もあるし(鯉じゃなくてスキュラ飼ってるけど)、池のある大部屋(=庭?)から母屋へは一見無意味な沢山の扉(=障子とか戸板?)がある。小部屋が沢山あるのもそれっぽいし、母屋から少し離れた場所にぽつんとある井戸(効果はランダム)も、そう考えると自然。そして何より、MAP南側に広がる意味不明な壁の配置も屋敷を囲む塀(もしくは柱)と門だと想像出来る。
そうか、ただひたすらにMAPを埋めるだけではなく、その構成を楽しんでみるのも一つの遊び方なのだなぁ。
そして、何故「武家屋敷」を模す必要があるのか、それにも一応の理由があるのだが……その理由は後日。

■第8回

[B8F〜B9Fにて拷問中]
面白MAPのB8Fを探索したら、お次は当然B9Fへ。例の如くB8Fには下から回り込んでくるらしい一角があるので、それを先に潰してみる事にする。

B8Fの未踏破仮称はMAP北西部という事で、B9Fはまずその辺りから探索。すると、あっさり登り階段を発見。
いそいそとB8Fへと階段を登り、目の前にあったドアを開けた瞬間、イベントが発生してしまった。
どうもこの部屋は武家屋敷の庵(の位置付け)らしく、中には「しずかに せいざをしている ひとりの おとこ」が居た。

「ちじょうからの きゃくじんは ひさしぶりだ しょうしょう たいくつしていたところよ ちょうどいいときに きてくれた あいてをしてもらおうか」

男がそう一方的に言った直後、戦闘開始。早い話が強制戦闘ポイントだったのだ。
それにしても庵で正座している男ってどんなモンスターだよ、と思いつつ戦闘に入ると、出現したのは「カムイ」やら「マスターニンジャ」。う、うわーっ! 首斬り系だーっ! と驚愕する暇もなく、一人、また一人とクリティカルの餌食に。そして気付けばリセットを押していたので、した。

事実上の全滅を味わってしまった我々。今のままリベンジしても同じ事だろう、という事でひとまず「カムイ」は後回しにして先にB9Fの他の場所をレッツ探検。

B9FのMAP構成を語るなら、南部の『拷問室』と『牢獄』がポイント。私の場合、拷問室でやたらエンカウントしていたのは「アースエレメンタル」や「エアーエレメンタル」等のエレメンタル系だったので、火責め水責め土責め空気責めとかやってたのだろうか?

『牢獄』はその名の通り小さい小部屋が沢山あるのだが、扉は施錠してあるので盗賊か忍者辺りに鍵を外させなければならない。そして開いた扉を一つ一つチェックしていったところ、二人のNPCを見付けた。
まず一人目は僧侶のライラ(♂)。太っているらしい(笑)。

「わたしは ライラ ぶっぽうのみちを あゆむもの しゅぎょうそうの みなれど きのう ほとけのおつげが あってなぁ みょうにち あらわれし うんめいのぼうけんしゃと ともに みちをあゆめと いわれた どうだ? せっそうをつれていってはくれないか?」

い、いや、多分我々は運命の冒険者とかじゃないっスから、とお断りした結果、頭を掻きながら立ち去って行く僧侶。……仏法って、この世界には仏教が存在するんですか?
そしてもう一人のNPCは「こじろう」(小次郎?)名乗る侍。

「わがかたな ものほしざおを なにものかに ぬすまれ さがしているので ござる みどものを きでんらのなかまに くわえては 貰えぬか?きでんらの ちからが あれば さらにふかいかいそう まで さがしに ゆけるのだが」

いやいや、だからパーティメンバーが一杯で……と断ると以下の台詞。
「しかたがない じつりょくのある ぼうけんしゃは ほかにもいよう」
……テメェなんだその言い種!「物干し竿」ってこたぁやっぱり佐々木の某かッ。

解放してあげたにも関わらずお礼の一言も言わないNPC達に殺意を芽生えさせつつも、次回はB10Fへと向かうのでありました。

■第9回

[B10Fにてゴーストバスター中]
B10Fは個人的に面白MAPその3。
このフロアは、一言で言おうがきちんと説明しようが、『墓場』としか言い様が無い。
実際「まどうぼち まかいのゆうしゃ ここにねむる」と書いてあるし。

墓地というだけあって、フロアの内部は腐臭漂う魔物の死体が放置してある。いや、墓地であるのなら埋めてよさそうなものなのだが、死体を埋めるという習慣は魔物には無いのかもしれない。

放置死体を調べてみると、ランダムで「わたしの ねむりを さまたげるのは だれだ!」などというメッセージと共に戦闘になる。
この時出現するのはアンデッド系のみで、大体一度の戦闘につき1000前後の経験値が得られるので中盤(序盤かも)の経験値稼ぎにはもってこいだろう。更に、まれ(そこまで確率は低くない)に「リッチ」が出現する事もあり、見事勝利すると1万ちょっとの経験値が入るのが美味しい。但し、この「リッチ」は「ディゾルヴ」の魔法を使ってくるのでその点が少々キツいかも。

ところで、死体を調査した際に出現するモンスターは、死んだ後にアンデットになってしまった連中なのだろうか。例えば元は「コボルトキング」だったけど死後「ワイト」になりましたー、とか。
それとも、本当に最初からアンデッドで……って、それじゃあここは墓場じゃなくてただの「アンデッドモンスター仮眠所」になって事になってしまう。
取り敢えず「魔界の勇者」が眠っているという程なのだから、非アンデッド→死亡→アンデッド、という流れが正しいのか。

MAPを埋めるついでに墓地内部をウロウロしてみると、南の方に「このさきキケン! なんびともたちいることをきんず」という警告発見。
普通ならば「こんなコケおどし」、と嘯いて突っ込んでいくところなのだが、Wizの場合は本当にヤバいケースが多い気がする。確か#1にもこういうのがなかっただろうか。警告無視でそのまま踏み込むと「石の中に入ってしまった!」……という恐怖のパターンが。
そこで、またしてもMAPを引っ張り出してきて参照してみると……ビンゴ。見事に石の中ツッコミ地獄でありました。危ねぇ危ねぇ。

さて、墓場をあらかた荒らしたら、西側の通路を回り込んだ先にある小部屋でシークレットドアを探し、更に先へ。すると『れいはいどう』という部屋を発見。礼拝堂かぁ。
その中に入って先に進むと「まかいのしんぷ」が静かに佇んでいた。

「ちじょうのものたちよ ししゃのねむりを みだしたつみ ざんげするがよい そして… そして そのバツをうけよ!」

『そして』を2回も言いながら現れ出でたのは「ハイビショップ」やら「マミー」やら。おそらく魔界の神父というのはこの「ハイビショップ」の事だろう。そんなに強くもなく、あっさり勝利出来たのであった。
それにしても「懺悔するがよい→そしてその罰を受けよ!」って、結局懺悔する時間をくれてないじゃん。

そんなこんなで、墓場で「リッチ」狩りをしてある程度経験値を稼いだら、お次はB11Fへ向かう事にする。

■第10回

[B11Fにて地底湖散策中]
B11Fの約53%は水で出来ています(この文書くためにいちいちマス目を数えた人)。

エレベーターその2の終点になっているこのフロアには巨大地底湖が広がっている。が、同フロアから地底湖内に入る扉は南西部に一つしかなく、またしても札が貼り付けていた。

「これよりさき ちていこ キケンにつき たちいりきんし」

……これってやはり魔界の住人(?)向けへの警告なのだろうか? 冒険者の侵入を阻むのがこの魔道の目的な訳であるし。

立入禁止と言われれば、入ってみたくなるのが人の性。きちんと何があるのかが書いてあるところを見ると「石の中」って事は無いでしょう、という事で思い切って侵入する事に。勿論「レビテート」必須。

ドアの向こうに広がったのは、注意書き通りの地底湖。それも結構な広さらしい。大体決まった箇所でエンカウントする敵が相変わらず「お化け系」であるところを見ると、やっぱり水地帯は浮いてるor水棲のモンスターじゃないと駄目なのかしらん。

そんな地底湖のほぼ中央には扉がある空間(4マス分)があり、中に入ってみると男が「どこからともなく あらわれた」。しかも「スキのないかまえだ しかしさっきは かんじられない」(笑)。

「わたしは バディック わがちから きでんらのために つかいたく さんじょうした へんとうはいかに?」

熱いラブコールと共に有無を言わさず迫ってくる忍者の青年にタジタジしつつも、やはり断るしかない。たった一人でこんな所まで一行を追い掛けて(待ち伏せて?)来た凄腕忍者を怒らせるのは命取りだとは思うが。
だが、忍者君は案外さっぱりした性格なのか「ひつようなときは いつでも こえをかけてくだされ では これにてごめん」と、一瞬にして消え失せてしまった。すげー、本当に忍者だ!

忍者君と別れた後、引き続き地底湖散歩、途中落盤に遭いながらも北東部で見付けたのは下へ降りる階段。……ん? 湖の中に階段? 上に登るならともかく、下に降りる? ……もしかしてこの下のフロアは水没してるとでもいうのか。
思い切って下に降りてみようかとも思ったが、未だこのフロアの探索が残っている。地底湖から脱出し、周囲のMAP埋めをしていたら……さぁ大変。
再び落盤に遭うわ毒蛇に噛まれるわ「きりん」や「くぐつ」といったモンスターにクリティカルされまくるわで、危うく全滅の危険が危ないところであったわ……。

さて、ここに来てちょっと復習……ならぬ復讐。B8Fの武家屋敷にて大敗を喫してしまった「カムイ」にリベンジを仕掛けようと思うのだ。墓地でリッチ狩りしてしっかりLV上げをしたのでいい加減大丈夫……だと思いたい。

準備を整えたらば、いざB8Fにて再挑戦。LVを上げてきた甲斐あって今度は「カムイ」意外の連中はさっさと片付ける事が出来たが、やはり「カムイ」は強力。毎ターンだれかしらがクリティカルの餌食に。だが、それでもどうにか倒す事が出来て万歳していると、恐るべきメッセージが。

『おとこをたおした! しかし そこにのこされていたものは まるたであった かわりみのじゅつだ!』

……?

「ふふふ… しばらくぶりに あつくなったわ また あおうぞ」

………………!?

釈然としない何かを感じながらも、一行はB12Fに向かう事にしたのであったっ。

■第11回

[B12Fにて未知との遭遇中]
B12Fは一見普通のフロア(?)なのだが、探索してみると相当変。個人的面白MAPその4とも言える。MAP埋めしていけば解り易いのだが、北西部が何やら妙な形をしているのだ。

更に、この部分に入るには南東部にある壁の切れ目を抜けていくしかないのだが……この、壁の切れ目の所で、予想外の展開にブチ当たった。

「みたこともない おおきなものが てんじょうとゆかに めりこんでいる そのなかから ムシのような いきものが はいだしてきた」

これがイベントメッセージなのだが、天井と床にめり込んでいる大きなものとは何ぞや? と最初は思う事だろう。だが、その疑問はこのメッセージ直後にあっさり判明する。何故ならこの後「エイリアン」との強制戦闘が待っているから。
……要するに、天井と床に云々ってのは、宇宙船なんでしょう……。

この「エイリアン」、単体ではそこまで強く無いのだろうが群れて襲いかかってくるから非常に面倒。毒・麻痺・恐怖と嫌なステータス異常を仕掛けてくるので、先手を取れないと辛い闘いを強いられるかもしれない。
無事に退ける事が出来ると、何と「エイリアン」が話し掛けてきた(以下、喉を小刻みに軽くチョップしながら音読でどうぞ)。

「タスケテホシイ 500G ワケテ クレナイカ?」

か、金をせびられた!

ちなみに、この後の展開は二通り。誰かが500G以上の所持金を持っていると、

「アリガトウ ワレラノ チョウサニ ヨルト チカフカクデ デーモンガ イジゲンカラ マモノヲ ショウカン シテイル キヲツケタマエ」

などと助言してくれる。が、一方で「500Gをやらないor所持金が500Gに満たない」場合は何事も無かったかの様にイベント自体が強制終了してしまう。全員分の合計が500G以上ではなくって、最低誰か一人が500G以上持ってないと駄目な模様。
だが、実のところ、金を払おうが払うまいが、一回フロアを出て再度このイベント場所に戻って来ると再び「エイリアン」と戦闘するハメになる。……結局500Gは何の為に徴収したんだコラ。

未知との遭遇を終え、宇宙船らしき部分の探索も済ませたら(ダークゾーン以外何も無し)、同フロアの他の部分を探索。と、「ローブをきたおとこ」と遭遇した。

「わたしはワーナード わがれきしは このせかいと ともにある いままでも そして これからも わたしが きえるときは このせかいがしぬとき せかいとともに たびを するきはないか?」

ありません。
……ってか、何なんだこの「私=世界」などとぬかす、強烈電波発信中のお方は、と怯えつつお断りすると、

「ふっ それまでは まだみぬ きょうおうの たんじょうを たのしみに ふたたび ねむりにつくことにするかな」

などと言って「スゥーっ」と消えてしまった。
……狂王って事は、#1の狂王トレボー? って事はワードナ? でもこの人はワーナード……。……深く考えるの、中止。

B12Fの探索が完了したところで、次回はB13Fへ。

■第12回

[B13Fにて狩猟中]
B13Fはこのゲームではとても大事なフロア。誰もが暫くこのフロアに籠もって狩りをする事でしょう。
何故ならば、ここは、宝箱をボスボス落としてくれるモンスター「アンバーハルク」の巣なのだから……(何だその余韻)。

このフロアには「アンバーハルク」が団体様で出現する固定ポイントが幾つかあるのだが、この「アンバーハルク」、今までのモンスターがロクなアイテムを落とさなかった反動なのか、やったら良いアイテムを落としてくれる。おそらく、大抵のプレイヤーがこのフロアで新しい装備品を調達している事だろう。
更に運が良いと隠し職業への転職アイテムまで大漁。私の場合は「ヴァリアント」に転職出来る「かごのたて」を一気に三、四個も入手した。

フロアのほぼ中央部分にあるイベント発生ポイントに行くと「アンバーハルク」と「キャリオンクロウラー」との戦闘になるのだが、戦闘突入前のメッセージが何か間抜けで笑えた。

「おおくのアンバーハルクが あつまっていた しせんはすべて こちらに むけられている キケンだ!」

単純ながらも状況が容易に想像出来る文章だが、戦闘に勝利した後もメッセージは続く。

「ここは アンバーハルクのまちなのだ ここから さまざまなところへ かりに いくのだろう」

……そして、彼等が狩りで得た戦利品を我々が略奪するのだろう(笑)。

このフロアへの出入りを繰り返しつつ「アンバーハルク」を夢中で狩っていると、アイテムを入手すると同時に結構経験値が溜まってくる。取り敢えず、男戦士2名のHPが300を越えた頃を見計らい、それぞれロードと侍に転職させた。
本当は女戦士も侍にしたかったのだが、唯一の悪属性である盗賊の属性変化を防ぐ為に友好的な「アンバーハルク」とも数回闘っていたら、いつの間に女戦士が悪になってしまっていた。侍、悪属性からは転職出来ないって事をすっかり忘れていたのヨ……。
違う属性でもパーティーが組めるシステムってのは、こういう時に裏目に出てしまうモンなんですな……。

が、幸運な事に女戦士のアライメントも元に戻り、今の内にと侍に転職。盗賊も忍者に、魔法使いは僧侶に、僧侶は魔法使いにと全員転職完了。流石にこれを一気にやると戦力ガタ落ちになるので一人ずつゆっくり上げてやり、全員のLVが10〜13辺りになるまでしつこく「アンバーハルク」を狩り続けておりました、とさ。

■第13回

[B14Fにて石化中]
B14Fは辛かった。
いきなり何だと思われそうだが、辛かったのだ。なんせ石化を仕掛けてくるモンスターの名産地なんですもの。

中央通りと言わんばかりの通路がフロア中央を縦に走り、その左右に小部屋や小路が詰め込まれている様な構成のB14F。小部屋が多いという事はその分扉も多く、エンカウントもそれなりに。
エンカウント自体は当然なので問題無いが、厄介なのは出現モンスター。「ゴルキメラ」やら「グレーターメデューサ」などの石化攻撃を得意とする連中が徒党を組んでいるのだ。

特に怖いのは前者で早々に始末しなければ「石化ブレス」を吐いて来て十中八九、全滅。ところがそういう時に限って後衛に居たりして闘い難いったらありゃしない。おまけに、現時点で唯一「ニュークリアブラスト」を使える僧侶(元魔法使い)の素早さがやや低く、敵に先手を打たれて1ターン目で石化ブレス噴射→全滅というパターンも多々。

それ故に、B14Fの探索はこれまでになくビクビクしながらのものとなった。本当はエレベーター(その3)で素通りしても問題無いフロアなのだが、ここだけMAPを埋めないのは嫌だ。それに埋めるにしても、先に下の階に向かいLV的に楽勝になってから改めて来る……というのも自分的に許せないのだ(そんなプライド捨てちまえ)。

おっかなびっくりの探索の最中、北東部にてマントを羽織った美しい男性と遭遇。最初はNPCかと思ったが、NPC専用のBGMが流れて来ないところを見ると違うのだろう。

「ここまでこれたものは そうはいない たいしたものだ まかいのものがちじょうを しはいするのは われらもこまる ひとつ てだすけをしよう わが じょおうにあえば いにしえのでんせつをきけるぞ」

一方的にそんな事を言い出した男の口元はキラリと光り、かすかに牙らしきものが見える。む、何者? と身構えていたところ男はそのまま去ってしまった。あれ? それだけ?
何とも拍子抜けなイベントではあったが男の口振りからすると後々「女王」とやらにも会うだろう予感がする。

どうにかフロア探索を終え、一息ついたところで気になるのが、いつの間にか手に入れていた「ようせいのこころ」。不確定名は「きみょうなもの」で一体何に使うのか……とデーターベースを調べたところ、B1FとB11Fで双方向ワープが可能になる、という事らしい。そう言えばB1Fで妖精らしきものに逃げられるイベントが発生するポイントがあったが、あそこかしら。

入手したからには早速使いましょうと「ようせいのこころ」を装備し、B1Fのイベント発生ポイントへ。すると今までとは打って変わり妖精が自ら近付いてきた。

「こんにちは 1Gで わたしのふたごのあね レイの ところへ テレポートして さしあげますけど いかがかしら?」

妖精の提案に二つ返事で頷くと「デーモンたちには内緒に」な〜んて念を押され、飛ばされたのはB11F、地底湖のフロアだった。
ちなみに飛ばされた先には妖精の双子の姉であるレイが居て、同じく1Gで「アタイの ふたごの いもうと シアのところに テレポートしてやるけど」と持ち掛けられる。「よぅ!」とか挨拶してくるところをみると、男勝りの姉に女の子らしい妹、といった感じか。それにしてもメイドさんと言い、何を狙っている(偏見持ちすぎ)。

この妖精姉妹による双方向ワープ、一見便利そうに見えるが実際はそうでもない。数回使用して解ったのだが、条件によってはテレポートさせてくれないので使い勝手が悪いのだ。
テレポート可能な条件とは「妹(姉)妖精に頼んでB11F(B1F)へワープさせて貰ったら、必ずB1F(B11F)へは姉(妹)妖精のワープで戻ること」。

例えば、妹の所からB11Fへワープしておきながら帰りは徒歩や魔法、もしくはメイドさんで地上に戻ったりすると、再び妹の所に向かった時にワープさせてくれなくなってしまう(近付くと逃げてしまう)。
この現象は逆もあり、B11FからテレポートでB1Fに戻り、再び妹以外の手段でB11Fで潜ってしまうと、B1Fにテレポートさせてくれなくなる。非常にまどろっこしい(笑)。

しかも、私の場合は「ようせいのこころ」を手に入れた頃にはとっくに「テレポート」を覚えていたのでいちいちB11Fまで移動してからワープする必要も無く、極めて必要性は低い。……にも関わらず装備しちゃってるのは、妖精に対する罪悪感からなのか未練からなのか(笑)。

■第14回

[B15F〜B16Fにて足止め中]
B15Fでは、エレベーターを降り立った瞬間からダークゾーン。暫くは手探りでMAPを確認しつつ進む事になるのだが、このフロアも小部屋が多く、嫌な場所に回転床やら魔法封じゾーン、更には底意地の悪い作りのワープがあったりして、MAP埋めるのも一苦労。しかもイベントが無いので「放っとけよー、こんなフロア」と私の中の悪魔がモーレツに囁く。
……だが、B16Fへの下り階段は北東の隅にあったので、それを見付ける間にMAPの殆どを埋めてしまった勘の悪い自分が虚しい。

ところで、B15Fではどうしてもこじ開ける事が出来ない扉に二つばかり遭遇した。フロア南西部と北東部のものだ。LV13の忍者が30回近くアタックしたのだが駄目だった。
特に北東部の扉から進んだ先には魔道エレベーター(その4)があるので何としても開けたいのだが、どう頑張っても無理だった。
こういう時はLVが低いか素早さが足りないかのどちらからしいので、もう少し修行してから改めて挑みに来る事にする。この場合、開かないもんは仕方が無い。

エレベーターは諦め、B15F北東部の隅にある階段から下りた先は当然ながらB16F。左右に長ーい通路が延びている。大して敵も強く無い感じであるのでいつもの如くMAPを埋めつつ探索していると、いきなりドレス姿の「けだかくもうつくしき」女性を発見した。

「わたしは やみのせかいのじょおう あなたたちのことは きいています とくべつなしょくぎょうになるには このせかいに1つしかないとつたえられる でんせつのぶきやぼうぐがひつようなのです」

闇の世界の女王……もしかして、B14Fで会った美形の兄ちゃんが言ってた女王様の事か? で、古の伝説というのは一体? ……と胸を躍らせながらメッセージを進めると……前述部分のみで終了。
あれ? もしかして『古の伝説』って転職ネタの事だったのかしらー?
……期待して損した。

かなりの拍子抜け感にガックリしつつ、女王が居る付近のMAPを埋めようと施錠されている扉を開けようとしたのだが……またしても開かない。どーやっても開かない。
このフロアの探索可能部分で未だ探索していないのはこの扉近辺だけで、未だ階段を発見していないのだから、この扉の向こうにB17Fへの下り階段がある可能性は高い。
更に、魔道エレベーターが通っているらしき区画が北東部に有りはするのだが、そこは壁に囲まれているためこのフロアからエレベーターに乗り込む事は基本的には不可能。
要するに、B17Fに降りる事が出来ない、足止め状態という事になる。

この状況を抜けるためには、やはり忍者を育てるのがセオリーなのだろうが「LV30は必要」という攻略情報に目は眩む。
今LV13の忍者がLV30になるまでといったらどの位の時間が必要なんだよ……と半泣きになりつつ解決策を求めてネットを彷徨っていると、『B16Fは石が無いので「てんいのかぶと」を使うと吉』という結論に行き着いた。

「てんいのかぶと」……それは、今までのWizシリーズに存在したそれとは異なり「装備して歩くと数歩毎に同フロア内をランダムテレポートする」という素敵で物騒な兜。
テレポートした先が石の中だったら目も当てられない、という事で決して日の目を見ないだろうとタカを括っていた兜。
それが、今こんな所で役に立つ日が来ようとは(笑)。
ちなみに『石がない』というのはランダムテレポートで壁の中に入る(=全滅)する心配が無い、ということ。

で、「てんいのかぶと」を被ってB16Fをひたすら徘徊し続けたところ、ものの数分もしない内に目的の階段室へとワープ成功。一旦足を踏み入れればこっちのもの、次回からは「テレポート」で来る事が出来るというものです。

次回はB17Fへ突入。いよいよ物語が佳境に入って参りました。

■第15回

[B17F〜B18Fにて悪魔とダンシング中]
ぶちゃけ、B17Fは存在意義が不明瞭なフロアだったりする。
フロア中央にある部屋には「デーモンキング」(脂肪)が居て、部屋に入るなり以下の口上を吐いて襲いかかってくる。

「ここまでこれたのは ほめてやる だが それも ここまでだ こうていのもとにはいかせぬわ」

完璧に中ボス戦の様相なのだが、その割にエレベーターでフロアそのものをすっ飛ばせてしまう辺り、魔界における彼の立場が窺える。露骨にないがしろにすると逆ギレしてうるせーから適当な地位を与えて放置しとけって感じ? 人間の世も魔界も似た様なものか(妄想やめ)。

戦闘後「デーモンキング」は「ぬう ここはひいてやろう」などと口走り、姿を消してしまった。ぬう。

その後、折角なのでエレベータではなく「デーモンキング」がいた部屋にある階段からB18Fへ。いつもの如くMAPを埋めるべく歩いていたらばどこからか微かな笑い声が。

「おとこかしら おとこだわ おとこよ おとこね」

……男の四段活用? などとくだらん事を考えつつ周囲を見回すも、声はもう聞こえなくなっていた。不思議に思いつつも気を取り直してMAP埋め続行。
ひたすら歩き回ってダークゾーンやら魔法無効ゾーンまでもきっちり埋め、もう埋めるべきところは無いんじゃ……とMAPを確認したところ、フロア南西部にあからさまな隙間発見。おのれシークレットドアか。

小さな小部屋が密集した区画を虱潰しに調べたところ、案の定隠し扉発見。普通だったら隠しドアがある場合「××(盗賊の名前)はなにかにきづいた」といったカンジのメッセージが出るのだが、LVが原因か出なかった模様。
それはともかく奥へと進んでみると、1マス分の小部屋に辿り着いた。
その小部屋の中は野郎にとっちゃあ天国か。『ぜっせいのびじょが いすにすわっている』ではないか。そんな美女は『うれしそうな ほほえみをうかべ』ると、立ち上がってこう言った。

「ようこそ わたしたちのまちへ かんげいするわ あなたたちを まっていたのよ」

そして、彼女が妖しい笑みを浮かべた途端……戦闘開始。彼女は「サキュバスクイーン」だったのだ。

そうかぁ、どうりでこのフロア、やったらサキュバスが出ると思った。考えれば、さっき笑ってたのもサキュバスだったんだなぁ。でも、パーティが全部女だったらどうなってたのやら。サキュバスの代わりにインキュバスでも出たのだろうか……と思って情報を探したら、笑われもせず戦闘も無くなるそうです。ちょっとつまんない。

それはさておき「サキュバス」で怖いのがエナジードレイン(LVを下げられてしまう極道技)。特に「サキュバスクイーン」なんて一気に3LV分も吸い取りやがるので、先手必勝リセット覚悟の決戦になってしまうのだ。
眼の色を変えて挑んだ結果、どうにか叩き潰す事に成功したものの……戦闘終了後、死んだ筈の「サキュバスクイーン」が突然起き上がるではないか。ひーっ。そしてまた妖しい笑みを見せ、

「すごいのね ステキだったわ また あいましょう」

と、絵に描いた様なサキュバスっぷり(?)の台詞を吐くと、姿を消してしまったのだった。
……それにしても、サキュバスクイーン、綺麗だったなぁ。このゲームに出てくる女性型モンスターの中で一番綺麗なのではなかろうか。おそらく、他の冒険者達の中にはこのサキュバスの町で彼女達の虜になってしまった者も居るのだろう。

さて、最高のスリルと美しさを味わったところで(何言ってんだか)、次回はB19Fへ。ゴールは近い。

>> 第16回以降
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