満を持して発売されたDC用格闘アクションアドベンチャー(という事にします)。壮大な「シェンムー」という物語のいわばプロローグに部分に相当。
1986年12月、横須賀。謎の中国人に武道家であった父を殺害された事から、芭月涼(18)の物語は始まる。
作り込まれたグラフィックで表現された横須賀では、主要人物である無しに関わらず、登場人物の一人一人がそれぞれの生活を営んでいます。そんなリアルさを持つ街を舞台に、プレイヤーも自分自身のペースでゲームを進めていく事に。
こればかりには実際にプレイしてみない事には肌に合うかどうかが謎なので、DCを持っている方は是非一度プレイを。新品でも平気で300円切っちゃったりするので(哀)入手し易いかと。
ちなみに、戦闘が3Dの格闘なので格闘が苦手な方は注意。
遂ににプレイ開始致しました、「シェンムー」でございます。
DC本体を入手してはみたものの、遊ぶソフトが「セガラリー2」(父親がPSソフトと間違えて買って来てしまった代物)しかなかったので、急遽近所のゲーム屋へ調達に向かったところ……棚の一番下の段にひっそりと並べてあったのがこのソフトだった。……新品同然の限定版が280円で。
さて、そんな本作だが、発売前は相当話題を呼んでいた。「バーチャファイター」の生みの親として知られる鈴木裕氏によるプロデュース、そして70億という目玉ビヨ〜ンな制作費。各種ゲーム系メディアから伝えられる、壮大なスケールで描かれるらしいシナリオや美しいグラフィックの断片達……。
……そう、誰もが(それは大袈裟)心トキメかせながら待っていたのだ。まだ見ぬ大作が発売される事を。
で、満を持して発売されたその大作だが、プレイヤーからどんな評価を受けたかは……私の口からはとても。
ただ、人間のツボとは解らないもの。10人中10人中が否と言っても、自分にはしっくりきたりする事も有るって事で、色々と考察しながらプレイをしてみようかと思うのでございます。
デモムービーで流れるのは、中国(?)の大自然と一人の少女。伝承めいた言葉(説明書に載ってます)が少女の声で紡がれる中、画面一杯に美しいグラフィックが広がり、ゲーム本編への期待は高まる一方だ。
……この段階では。
さて、早速ゲームを開始するワケだが、この物語の舞台は1986年の横須賀。
12/1、主人公である芭月涼(18)の父、芭月巌(CVは藤岡弘。渋ッ!)は、自宅に突然現れた謎の中国人『藍帝』に殺害されてしまい、涼も深手を負ってしまう……と、ここまでがOPムービー。
実際のプレイが始まるのは、その四日後である12/4から。何で四日後かと言うと、父ちゃんの葬式だったり涼の怪我がある程度治るのにそれ位を要した、って事かしらん。
12/4の朝になり操作可能な状態になったら、まずはセーブ。そしてその後操作練習も兼ねて家の中をウロついてみる。
最初は涼の狭い自室の中で細かい動作をやってみるのだが、狭い場所での方向の微調整が少々やり難い事と、「ズーム→ロックオン→アクション(Aボタン)」の流れがなかなかスムーズにいかないのが気になる。が、この辺はただ単に私が不器用なだけなので、遊んでりゃあ慣れてくるでしょ。
それにしても、思わず「おお!」と感動したのは、オブジェをかなり細かく弄れるという事。例えばタンスの引き出しを一つ一つ調べられたり、机の上のライトのスイッチをオンオフ出来たり。前者はともかく後者は意味の無い事だったりするのだが、こう、「シナリオ進行とはまったく無関係の作業」が出来るというのは何ともリアルだ。その是非は別として。
部屋をある程度物色(自分の部屋なのに)したら、いよいよ部屋の外に出る。するとイベントが始まり、稲さん(涼の母親代わりとも言える住み込みの家政婦さん)から声を掛けられた。そして渡されたのはお小遣い500円。わざわざ、「おこづかい」と表書きされた白い封筒に入れてある。しかも、毎朝下駄箱に置いておいてくれるそうだ。も、申し訳無いです……。ちゅーか、礼を言えよ、涼!
ところで、巌が死んだ今、芭月家はこれからどうやって生活するのだろうか。芭月家には涼と稲さんの他に福さんという住み込みのお弟子さんが居るのだが。……巌の保険金と、稲さんの年金、とか? ……小遣い貰ってる場合じゃないじゃん!
家の中を彷徨い歩き、父との想い出を回想しつつ各部屋でアイテムを入手しまくったら、悲劇の舞台にもなった庭の外れの武道場へ。そこでは父の弟子、福さんが一人静かに瞑想していた。
会話をしている内、涼が父親の仇討ちをするつもりではないのかと心配する福さん。止めないでくれ、俺は親父の仇をどうしても取りたいんだ! と、涼は自宅を飛び出し(別に会話の途中で飛び出すワケじゃないけど)……ひとまず、町へと情報収集に向かうのでありました。
情報収集のため、「山の瀬」地区の高台にある自宅から出撃。
自宅の門を出た後は住宅が左右に広がる緩やかな坂道に出る。町のフィールドもかなり作り込んであって、例えば道路の脇にある小さな階段を降りて下の家の庭へと入ったり、細い袋小路を歩いたりという事も可能であるのが面白い。
「山の瀬」地区の坂道を下っていたら、途中にあるお稲荷さん前でイベント発生。めぐみちゃんという女の子が、段ボールの中の仔猫を眺めていた。
何でも、この仔猫の母親は四日前の雨の日、黒い車に撥ねられて死んでしまったらしい。四日前の黒い車……って、親父の仇が乗って来た車の事じゃあ無かろうか。ならば他にも目撃者がいるかもしれない、と、仔猫にお稲荷さんから拝借した油揚げを与え、今度一緒に仔猫の名前を考えようとめぐみちゃんと約束し、神社を後にした。
余談だが、めぐみちゃんの声は何とも苦手だ。その姿がある程度リアルであるだけに、アニメチックロリ声で話されるとアンバランスで気持ちが悪いよぅ。
山の瀬地区を過ぎるとやがて「桜ヶ丘」という住宅街に出る。周辺には懐かしいデザインの電話ボックスや駄菓子屋なんかもあってイイ感じ。だが、懐かしがってる暇があったら「黒い車」について聞き込みせねば。
電話ボックス近くにいたオバちゃんによれば、この近所の事は「住谷さん」が詳しいらしい。OK、住谷さんね。住谷さん、住谷さん、住谷さん家は何処っスか!?
桜ヶ丘の端で漸く住谷さんを発見。話を聞いてみると「山岸さんが黒い車に轢かれそうになったらしい」という情報が。
で、お次は山岸さんの家を目指して住宅街を駆けて行くのだが、だいぶ日が傾いてきた。いけない、早く家に帰らなきゃ稲さんに怒られちゃう! ……なーんてな。
さて、このゲームの特徴の一つとして「人々がリアルな生活を営んでいる」というものがある。
涼が行く先々で出会う人々の殆どにはきちんとそれぞれの名前があり、時間帯によって会える場所も違ったりする。なので、午前中はここに居た人が夕方はこんな所に、という事に気付くとなかなか楽しい。
話は戻り、山岸さんの家に到着。外は夕焼けなのでもしかすると家の中に入っちゃったかなー、と思ったが、幸い庭に居てくれた。声が渋いんだよこのお爺ちゃんは(惚れ惚れ)。
山岸さんの話では、すんごく威圧的な黒い車が結構なスピードで走って来て、山岸さんはそれを避けようとした拍子に、転んで腰を打ってしまったのだという。一応車にはどんな奴が乗っていたのかを聞いてみたが、その時は腰が痛くてそれどころでは無かったそうな。そりゃそうね。とにかく無事で良かった。
その後、桜ヶ丘では大した情報は得られなくなったので思い切って場所替え。「ドブ板」へと向かう事にした……が、何が起こるか解らないので、取り敢えずセーブしに自宅へGO。
自宅へと続く山の瀬地区の坂道を歩いていると、神社には未だめぐみちゃんが。おいおいもうすぐ暗くなるぞー、と声を掛けたところ、猫に付ける名前を考えているのだという。ここはやっぱり「タマ」だな、猫だから、と意味不明な理由で名付けてやり(本当は四つ選択肢が出る。が、うち一つは却下されるので実質三つ)、めぐみちゃんにバイバイして夕暮れの中を自宅へと急ぐのでありました。
ところで、この時点でのゲーム中時間は未だ初日(12/4)のPM6:30頃。夜はまだまだこれから。
ちょっと説明すると、このゲームには時間という概念があり、プレイ中はゲーム内での時間が流れていく。右下に時計が表示されているのでそれを目安に行動するワケだ。
涼の行動時間はAM8:30〜PM23:30までで、PM23:30になると問答無用で家に帰ってしまいそのまま翌朝を迎える。
また、現実同様時間は待ってはくれないので、スタートボタンを押してストップを掛けておかないとアイテムウィンドゥを開いている時ですら時が過ぎて行くので油断ならない。
セーブが終了したら、早速ドブ板へ。周囲の人からあれこれ聞き込みをしてみる。
ドブ板には沢山の店やらアパートやらが立ち並び、最初は何処に何があるのか解らず軽く迷ってしまうが、実際は単純な造りなので慣れてしまえば移動も簡単。寧ろ、広い町を駆け回れるのが何とも楽しい。
町の探索を兼ねた情報収集の結果「花屋の娘が黒い車に泥をかけられて怒っていた」という話をゲット。ん? 花屋「アイダ」の娘と言えば、涼の幼馴染みでもありこのゲーム(少なくとも"第一章"の)のヒロインである、原崎望(CV.安めぐみ)の事では無いだろうか。
そこで早速「アイダ」に向かい原崎に話を聞いてみると、ホットドッック屋を営んでいる「トム」(これまた涼の友人)が、その黒い車とモメていたらしいとの情報が。
……ところで、望のCVを担当している安めぐみ嬢は個人的には好き。が、やっぱり本職の声優さんじゃあ無いせいもあって台詞が棒読みで不自然なのが気に掛かった。無念。
ホットドック屋のトムは常に店(というか移動販売のトラック)の前で不思議な踊りを踊っているのですぐ解る。MPを減らされつつ(そんなものは、ない)黒い車の事を聞いてみると、最初は言葉を濁していたものの、涼の懸命さに心動かされたのか、漸く口を開いてくれた。
トムの言う事にゃ、黒い車が店の客と接触しそうになったので文句を言ったら、車に乗っていた中国人風の男からすんごい「クール」な目で睨まれてしまったそうだ。
トムの話を聞き、間違い無い、そいつはきっと藍帝だ! と確信した涼は「藍帝=中国人=手掛かりを知っているかも」と半ば強引な思考回路に基づき、ドブ板で中国人を探す事を決定。一方、トムはそんな友人に「世界旅行社」(旅行代理店)あたりで聞いてみたらどうだ、とアドバイスしてくれた。そうだね、行ってみるよ……と思ったが、既に時計は九時を過ぎ、「世界旅行社」閉店している時間。
仕方が無い、世界旅行社には明日出直す事にして、今日のところは自宅に戻ろう。
自宅に帰り着いた頃は十時過ぎ。はー、疲れた疲れたと家に上がった瞬間、稲さん登場。もう少し早く帰って来いって叱られちゃった……。
その後は、自室に戻って就寝。今日は一日お疲れ様でしたー……って、そのTシャツのまま寝ちゃうんですか? 涼さん。
二日目の朝は、八時半に起床。Tシャツのままどころかジーンズも脱がず、更にはベルトすら抜かないまま寝ていたらしい涼さんは、目覚めるなり、顔も洗わず歯も磨かず朝食も摂らずに出掛ける始末。そして下駄箱の上には稲さんからのお小遣い500円が……。大事に使いマスっ。
朝一番にやる事はと言えば、道場で鍛錬。確か道場では福さんと技の練習が出来るんだよなぁ、とフラフラ行ってみると、やっぱり福さんはそこに居た。
巌が死んで以来一人で鍛錬を続けている福さんは、涼に「水月突き」のお手本を見せて欲しいと言う。そこで涼は型を披露する事になるのだが、このイベントを起こす事で「水月突き」を習得する事が可能。で、その後ちょっとの時間その技の練習が出来るのだが、この時に連続して失敗すると少々虚しい。お手本である筈なのに(笑)。後で時間が出来たら、こっそり練習しなくちゃなぁ……。
福さんとのやり取りが終わり、ドブ板目指して山の瀬の坂を下っていると、突然イベント突入。子供の蹴ったサッカーボールが飛んで来るので、タイミング良くAボタンを押して躱さなければならないのだ。
説明書によると、この手のイベントは「QTE (Quick Timer Event)」と呼ばれ、画面中央に現れるボタンを素早く正確に押す事によって切り抜けられる。……面倒臭ぇー(本音)。
山の瀬を抜け、桜ヶ丘へ。そしてドブ板に行こうと「阿部商店」の前を通ったところ、何となくガチャガチャに目が行って足を止めてしまった。
そして「まだ十時ぐらいだしちょっとだけなら……」って事で、ガチャガチャ開始。思い切り駄目人間。
ダブる事なく「ソニック」等のフィギュアを入手してご満悦の良くした涼さん(というか私)、今度はドブ板のゲーセン前のガチャガチャに挑戦し、更にはゲーセン内に突入。
ゲーセン内に置いてあるゲームは「アウトラン」「スペースハリアー」「QTE TITLE」「EXCITE QTE2」。少なくともこの内前者二つは実在するアーケードゲームで(後者二つはよく解らない)、私もむか〜し遊んだ事がある。地元のデパートのゲームコーナーにあったのだが、親とお出掛けした際、駄々をこねまくって遊ばせてもらったものだ。
特に覚えてるのは「スペースハリアー」。タイトル画面の一つ目のマンモスが印象深い。多分、私が生まれて初めてプレイした筺体のゲームではなかろうか。
無駄な懐かしトークはさておき、ゲーセンで暫く遊んだ後も散財は続く。今度は「トマトマート」でカセットテープ買ってクジ引きしよう、とルンルン気分で「トマトマート」方面へと向かっていたら、いきなりイベント突入。榎という見るからに「番長ッ」という感じの男に絡まれてしまった。しかも「おぅおぅ肩をぶつけといて詫びも無しか」みたいな因縁で。しかもこの人、口に草咥えてるし。……否、地面に対して垂直になっているところを見ると……生えてんのか、草!
QTEを軽くこなして榎とその連れを撃退したら、気を取り直して「トマトマート」へ。目的のカセットテープを購入(いくら'86年でもシングル1本300円ってのは無いだろ)。そしてその後クジ引きしたらば、何と2等のサターンソフトが当たってしまった。勿論「スペースハリアー」を選びましたさ。
そんなこんなで親の仇討ちも忘れて一通り遊び呆けた後、漸く我に返った涼さん。こんな事をしている場合では無い! と時計を見たら既に二時過ぎ。いかんいかん、一刻も早く世界旅行社に行って情報を……と言いつつ目的地の前を素通りした身体は自宅の方へ。イイものが沢山手に入ったら一旦セーブしておきたいというのが人の性。
実はドブ板と桜ヶ丘を結ぶ道は二つあるのだが、今いる場所からならゲームセンター脇の路地からの方が早い。そこで、そのルート途中にある「すずめ公園」の横を通り抜けようとしたら……山岸の爺さんがいた。
渋い声が聞きたくなって声を掛けてみたところ、何と中国人の情報を教えてくれた。「味壱」の「陶おじさん」が詳しいのではないかという事だ。更に、礼節を欠くような真似はするな、と忠告までしてくれた。謝謝。
一旦自宅に戻りセーブした後、再びすずめ公園の前を通り過ぎようとしたら、山岸さんはまだそこに居た。そこでちょっと近付いてみたところ、イベント発生。どうやら山岸さんはお酒を飲んでいる様子だ。
山岸さんが言うには、亡き涼の父と一杯やっていたらしい。山岸さんは以前古武術をやっていて、涼の父とは武術家仲間だったんだそうな。
このイベントでは、昔は武術をやっていたという山岸さんから「重ね当て」を伝授して貰う事が可能。威力はさておき、モーションと効果音が大変面白いので実に好きな技だったりする。特に山岸さんが見せてくれるお手本ムービーは必見。
桜ヶ丘に戻って行く山岸さんを見送りつつ、目指すは陶おじさんの店、「味壱」。だが、陶おじさんはこの近辺の中国人全員を知っているわけでは無いという。そしてその代わりに「三刀」という言葉を教えてくれた。
「三刀」とは、刃物を使う職業……「料理人」「仕立て人」「床屋」を指すらしく、その辺を当たれば何か情報が得られるかもしれない、との事。取り敢えず「料理人」って事で、この近所にある「満福軒」にでも行ってみる事に。
「満福軒」を一人で切り盛りしているのは未亡人の山本さん。中国人だったご主人は既に他界しているそうで、出鼻を挫かれてガックリ。仕方が無いので「仕立て人」に当たる「マリー商会」へと行ってみると、今度は理髪店の「劉さん」が良い、との事。……何か、たらい回しにされている様な。
「劉理髪店」の劉さん夫妻に話を聞きに行くと、皆が言っている「劉さん」は、店主の劉さんの父親の事ではなかろうか、という事になり、今度は劉爺さんが散歩の途中で立ち寄っているであろうすずめ公園へ向かう事に。
そして公園で劉爺さんに話を聞くと、「藍帝」とはおそらく中国の闇の組織に通じている者で、横須賀に出入りしている船員達なら何か知っているだろう、との事だった。……船員かぁ。
情報収集が新たな段階に進んだ模様なので、ここで一旦セーブしに自宅へ。続きはまた次回に。
……ちょっと長過ぎたな、今回。
更なる情報収集の結果、船員達は夜になるとバーに集まるという事が判明。バーと言えば、何故か涼の馴染みの店となっている(笑)「バーYOKOSUKA」辺りにも居るのかも。
余談だが、当初私は「YOKOSUKA」をずっと「YOSAKOI」と思い込んでいて、変な名前ー、と素で不思議がっていた。どうやら不思議だったのは自分の脳味噌だった様だ。ローマ字も読めない己万歳。
早速「バーYOKOSUKA」に行ってみたものの、店内に船員らしき客はいない。あれー? と首を捻りつつマスターの西条さん聞いてみたら、船員達は「MJQ」か「ハートビーツ」というお店によく出没するそうな。
「MJQ」は「YOKOSUKA」のすぐ近くなので、先ずはそっちに行ってみる。すると、店の奥でビリヤードに興じている外国人二名を発見。話を聞こうとしたらビリヤード勝負を吹っ掛けられた。
ワンショットで球をポケットに落とせたら質問に答えてくれるという。で、負けたらバーボン奢れ、だってさ。よぅし、やってやろうじゃんか!
で、結論から言うと、負けました。
しかもバーボン代1000円! ぼったくり(現実的には寧ろ良心的なのですが)!
もういい、お前等に用は無い! とMJQを飛び出した涼さん、今度は「ハートビーツ」に行く事に。が、場所がよく解らないので一件一件虱潰しに調べていたら、路地裏へと続く階段を発見。あからさまに怪しいので降りて行ったらば、早速ガラの悪い外国人二人に絡まれるQTEになったのでサクサクっと撃退。更に奥に進んで行くと案の定「ハートビーツ」を発見した。
店内に入るとそこは「不良の溜まり場」ライク。しかもマスターは「お子様はこれでも飲んでな」とばかりに牛乳を出してくる始末。何か一昔前の映画の様で逆に新鮮だ。
だが、冗談が通じないのが涼さんの良いトコロ。絡んでくるゴロツキ共をQTEでボコボコにしたら、店を荒らされて怒り心頭のマスターが「ここに二度と来るな」と言いつつも「チャーリー」という男の名前を教えてくれた。牛乳ごちそう様でしたー。
さて「チャーリー」という男は腕にタトゥをしていて、愛車はハーレー、サングラスに革ジャン着用……って、そんな人ごまんと居るよぅ。
タトゥをした外人さんと言えば、子供の頃、ボウリング場で可愛らしいウッドストック(スヌーピーに出てくる黄色くて小さいアレ)のタトゥをした、大柄でいかついアメリカ人のおっちゃんを見た事がある。誰も信じてくれなくて哀しかった。
それはさておき、この時点で時間は既に十時過ぎ。今日はこの辺で帰るかと、いそいそお家に戻ったのでありました。
翌朝、聞き込みの続きをしようとドブ板へと向かっていたら、桜ヶ丘公園でイベント発生。原崎嬢が前回出てきた不良葉っぱ男に絡まれているではございませんか。あー、またQTEかと思っていたら、どうも様子が違う。何と、今回は初の実戦となる模様なのです!
このゲームのバトルシステムを一言で言うなら、『格 闘』。格ゲーよろしく、技を繰り出して敵を叩きのめさなければならない。バトル時は画面左上に涼の体力ゲージ(とは違うかも)の様なものが出現するので、それに気を配りつつ敵をビシバシっとやるのだ。
取り敢えず、今回のバトルで相手をするのは二人(榎とその子分)なのだが、全然強く無いので適当にボタン押してても勝てるであろう。多分。
原崎を助けた後は、気を取り直してドブ板へ。ひたすら「チャーリー」についての聞き込みを行った結果、お弁当屋のおばさんから「永井興業に入れ墨の人がいる」との事。タトゥから連想してくれたんでしょうが、永井興業……たぶん、ヤの付く自由業の方々なんだろうと思います。
そんなワケで早速「永井興業」に行ってみると、予想外にもそこは案外良い人ばかり(入口の兄ちゃん除く)。
組員(社員か?)の香川さんが言う事にゃ、チャーリーはよく夜のドブ板に現れ、ミリタリーショップ近辺をウロウロしているのだという。なので今度はミリタリーショップ「クリタ」に行って店長の栗田さんに尋ねたところ、夜の7時頃にスカジャン屋の「ジュピトリス」にいるのを見たそうな。……意外と皆、チャーリーの事知ってるのね。
こうなれば、夜の7時になるのを待つしかない。一旦自宅でセーブした後、ゲームセンター付近の駐車場で一人黙々と技の練習をする事に。
前述のバトルと絡んだ話になるが、バトル時に技を出すにはコマンド入力をしなければならず、この辺は完璧に格ゲーだ。更に、技には全て熟練度が設定されていて、基本的に熟練度を上げれば多少は使い勝手が良くなる。
正直、格ゲーは苦手なので今後のバトルが不安と言えば不安なのだが、そういう人の為の救済措置なのだろう、特定のバトルを除けば、バトルはやり直せるそうです。しかもやり直す度に涼が打たれ強くなり、最後にはダメージを喰らわなくなる、とか。……それはそれで悔しいよ、セガさん。
夜も七時を回り、いざ「ジュピトリス」方面へ。店の前で待ち伏せしようとウロチョロしていたら、イベント発生。おっ、チャーリーが来たか!? とドキをムネムネさせていたら、現れたのは昨晩涼にボコられた外国人達の内の一人だった。
「昨晩の無礼を涼に謝りたい」というその男は、チャーリーの事を教えてやるから付いて来いという。露骨にウソ臭いのだが、疑わないのが涼さんという男。
連れて行かれた先は先程まで涼さんが鍛錬していた駐車場。しかもやっぱり罠だった様で、五人の外国人に囲まれる始末。ホレ見た事か。
この後は、昨晩の復讐だと言って襲い掛かってくる五人相手のバトルとなる。折角なので先刻まで練習していた「疾風」(飛び蹴り)を使ってみる事に。ダッシュ中にAボタンなのだが、意外にも面白い様にヒットしあっという間に戦闘終了。どうにかなるもんだ。
バトル後、一人の男の腕を捻りつつ軽く尋問する涼。すると、横須賀にタトゥショップがある、という情報を入手した。
この時、涼さんの頭の中で完成したのは、タトゥショップ=チャーリーという図式。いくらなんでもそれは無茶苦茶では、と思う事すら許されないまま、タトゥショップを求める旅が始まるのでございました。
タトゥと言えば、取り敢えず「背負っている」方々に聞くのが一番、とばかりにやって来ました永井興業。香川さーん、何処か知らない? と尋ねてみたらば「何処かのアパートにあるらしい」という情報だけ入手した。取り敢えず、この近辺に存在するって事ですな。
こうなったらローラー大作戦とばかりに夜のドブ板で情報収集していると、バイク屋「KNOCKING」のオヤジさんが「ゲーセンに居るバイカーに聞いてみろ」とアドバイスしてくれた。ああ、そう言えばゲーセンにガラの悪そうなのが居るよなぁ……と思いつつゲーセンに言ってみたものの、いないでやんの。
そんなワケで、バイカー探しはまた明日にして、今日のところはおウチに帰る涼さんなのでありました。
翌朝、ドブ板のゲーセンへと行ってみると、未だ開店していなかった。開店は10時という事なので近くの駐車場で鍛錬に励み、10時を少し過ぎた頃に再訪してみると、いたいた、バイク野郎二人。
「自分達のチームに入るのなら教えてやる」と勧誘された涼さん、二つ返事でOK(笑)。そしてあっさりチーム加入を承諾した涼に対し、バイク野郎は約束通りタトゥショップのあるアパートを教えてくれた。何だ、結構イイ人じゃん。
ちなみに、このバイク野郎に再度話し掛けてみると「本気でチームに入るならタトゥを入れて来い。話はそれからだ」などと言ったりするのであった。
バイク野郎から教えて貰ったのは「岡山ハイツ」。ドブ板には数件アパートがあるので虱潰しに探したところ「満福軒」の近くで発見。目的のタトゥ屋はこのアパートの二階だ。入口のドアに看板代わりのポスターかシールらしきものが貼ってあるので解り易い。
御免下さい! と勢い良くドアを開けようとしたものの、扉が開かない。開店時間は昼の2時だった……。
またしても駐車場で鍛錬しつつ時間を潰した後、気を取り直して出直してみると、当然ドアは開いていた。
中に入ると、自動的にイベント開始。まずは涼が入って来る前の店内の様子が描かれるのだが、既に客が居る模様。「強そうに見えるタトゥを入れてくれ。あのボーイに負けないぐらい」などと言っているところを見ると、昨晩涼にボコられた船員なのだろう。その証拠に、涼が入って来た途端「ボーイ!」などと言いながら店から逃げ出してしまった。おーい、タトゥ、入れてる途中なんじゃないのかー?
逃げた船員は放っておいて、店主にチャーリーの事を聞く涼。すると、チャーリーはカーテンの向こうで寝ているという(タトゥ彫った後って身体が熱持つから?)。
「下手に起こすと痛い目見るぞ」といった趣旨の店主の忠告を聞きつつ、カーテンを思い切り開ける涼。すると即座にQTEが発生し、チャーリーが襲い掛かって来た。
だが、そこは我らが涼さん。えいやっと腕を取って捻り上げると、チャーリーは呆気なく降参。明日の3時にゲーセンに来い、との事。
この時、ガキは加減を知らねぇなどとボヤくチャーリーなのだが、確かにそう思う。涼さん、いつだって全力なんだもん。
ほっと一息つきながらタトゥショップのあるアパートを出ると、突然原崎が現れた。何してんの、こんな所で。え? 予備校の帰り?
ここで驚くべき事が解るのだが、涼さん、実は受験生らしい。十八歳なので高校三年生だという事は解っていたが、受験すんのかよ! しかも、今12月で追い込みバリバリの時期だぞ! ……'86年というと、未だセンター試験ではなく共通一次だった時代ですかね?
学校にも来ず怪しい所に出入りしている涼を心配する原崎を適当にいなし(ひどい)、セーブをしに自宅へ。そして、ちょっと技の練習をしようと道場へと向かうと、イベントが発生。涼さんは道場で一人瞑想し、中国人の闇の組織と接触する覚悟を決めた様だった。
その後、福さんと組み手を行った後、力強い歩調で道場を出ると……庭で稲さんが待っていた。
母親(というよりはお祖母ちゃん?)代わりの稲さんとしては、涼が危ない橋を渡ろうとしているのは見過ごせない。原崎同様、危ない事はすんなや、とやんわり釘を刺してきたが、腹を括った涼さんは誰にも止められないのだー。
更にこの時、稲さんは涼に一通の手紙を差し出した。巌の死後に届いた巌宛ての手紙で、中国語で書かれているので涼にはチンプンカンプン。巌は若い頃中国に武者修行に出ていたそうなので、おそらく彼になら読めたのだろうが。福さん曰く「中国語の読める人がいるといいんだけどな」。大丈夫、ドブ板に行けば沢山居るから。
凄く中途半端な時間になったので、その後は道場でひたすら練習。どうにか技を出すコツが掴めてきたが、延々やっているので指が痛い……。
翌朝、目覚めるなり早速ドブ板へ。約束の午後三時には未だ早いが、手紙の事や、鍛錬、ガチャガチャなどやる事は沢山あるのだ。ガチャガチャはどうかと思うよ。
そういや最近猫と遊んでないなー、などと思いつつ山の瀬を下り桜ヶ丘を進んでいると、半ベソをかいた少年が涼の元へと駆け寄って来た。何でも不良共にサッカーボールを奪われ、返して欲しかったら涼を連れて来い、などとヌかした模様。よしよし、兄ちゃんが取り返してやるからな。
少年が言う通り桜ヶ丘の工事現場に行ってみると、そこに居たのは何とチャーリーだった。しかも、ガラの悪い連中を数名連れている。
お前なぁ、いい歳して子供脅してんじゃねぇよ! とばかりに乱闘開始。いつもの様に回し蹴りを連発で叩き込み、残りはチャーリー一人だけ……と思ったら、この野郎、少年を人質に取ってしまった。更に、後ろからは男が殴り掛かろうとしている。
ここはQTEイベントになっていて、指示通りにAボタンをを押せば、涼が地面に転がっていたボールを蹴り飛ばす。そして、そのボールはしっかりチャーリーに命中し、その隙に後ろにいた男に一撃を喰らわし一丁上がり。少年、大丈夫だった?
助けた少年の名前は夏高文。日本語がペラペラだが中国人らしい。そんな高文君とバイバイした後、ひとまずセーブしに自宅へ。
……それにしても、怒りに任せてチャーリーをボコったのは良いが、手掛かりが途絶えてしまった。
取り敢えずは、先刻稲さんから貰った手紙について調べてみる事にするかぁ、ってなワケで続きは次回。
中国語を読める人を求め、一路ドブ板へ。そう言えば、前に中国人について調べようとした時は、先ず陶おじさんに聞きに行ったっけ、と思いつつやって来ました「味壱」。
手紙を見せたところ、普通の中国語では無いので読めないという陶おじさん。だが、便箋に使われている紙は奉書紙なので、書道に詳しい「王さん」(「味壱」の店員さん)に見せれば解るかもしれない、との事だったが、王さんは出前中だった。
ドブ板の何処かに居るであろう王さんを探し回っていると、偶然にも高文に出会った。そうだ、高文も一応中国人なんだし、と、軽い気持ちで中国語が解る人について尋ねてみると、「陶器屋ロシヤ」に居る高文のお祖母ちゃんなら読めるという。やった!
そういや王さんは結局何処に居たんだろうな〜などと思いつつ「陶器屋ロシヤ」へ。店主は高文のお祖母ちゃんである「秀玉さん」。上品そうな方なのよ。
秀玉さんに早速手紙を見せたところ、手紙に記されているのは「裏文字」(一種の暗号文字)である事を教えてくれた。そしてその内容はというと、「鏡を狙う者あり 注意されたし 緊急のときは 陳大人を頼れ」と書いてあるという。更に手紙の裏には「0468-61-5647」という電話番号らしき数字と「父なる天 九つの龍 母なる地 我が友」という意味深な言葉まで隠されていた。そして、差出人は「朱元達」。……一体誰だ?
何はともあれ電話番号が書いてあるんだから電話を、という事で一旦自宅へ。すると、待ち構えていた様にして福さんが出て来た。彼も手紙が気になっていた模様。
予想通りというか案の定というか、福さんも手紙の内容に心当たりは無かった。こうなればやはり電話をかけてみるしかない。
涼の家にあるのは昔懐かし黒電話。そこから例の「0468-61-5647」に掛けてみると、2コールの後に繋がった。
あのぅ、芭月と言う者ですが……と言うより早く、電話の向こうからは「母なる地」という声が聞こえ、画面上に突如として選択肢登場。へ? もしかして合い言葉? と咄嗟に適当なものを選んだところ、有無を言わさず電話を切られてしまった。どうやら間違っていたらしい。
あの「父なる天〜」という謎の言葉は、合い言葉だった様だ。そうと解ればこっちのもの。再度電話し、合い言葉も無事にクリアー。
さァ、何のお話が出来るのか、相手は一体何者なのか、とドキワクしていた涼さんに告げられたのは「第8倉庫」に来い、という一言。は? 第8倉庫って何処の第8倉庫なの? と、手紙の事などを説明しつつ食い下がろうとしたが、無情にも電話は切れてしまった。……また、暗礁に乗り上げちゃったよ……。
すっかり迷える子羊状態の涼さん。ワラにも縋る思いで福さんや稲さんに「第8倉庫」の事を聞いたが、両者が解る筈も無い。仕方無いので山の瀬、桜ヶ丘、と聞きまくったが有力な手掛かりは得られず、流れ流れてやって来たのはドブ板だった。
一時はゲーセンで現実逃避しようかとも思ったが、気合いを入れ直して聞き込み開始。そして「コーポわかば」の方へと人を求めて向かった……のがマズかった。
面倒な事に、あの葉っぱ大将がまたしても絡んで来たのだ。いざ、バトル開始。
アンタ等と遊んでる場合じゃないんだよ! という私の苛立ちとシンクロしたのか(笑)、バトル勝利後「忙しいんだから俺に構うな」と榎に宣告する涼さん。そして連中が逃げ去った後、再び半ベソかきながら(嘘です)「第8倉庫」を探し求める旅に出るのであった……。
こりゃあ一筋縄ではいかないかも、と覚悟を決めて聞き込みを開始したものの、意外にもあっさりと解決の道が開けてしまった。肉屋の店主が「104で聞けば良いんじゃねぇ?」と、そして原崎が「電話番号から住所を調べてみたら?」と教えてくれたのだ。うわ、皆あったま良いー! ……というか、涼さんって意外と世間知らず?
弾丸の様に家に戻った涼さんは、疾風の如く「104」を回し、雪崩の様に「0468-61-5647の住所って何処っ!?」とお姉さんに聞いた。が、電話番号から住所を調べる事は出来ない、一蹴され、葬式の様に受話器を置くハメに。
ならば電話帳で逆引きしてやるさ、と棚の中から引っ張り出した電話帳で調べたところ(解ってんなら最初っからそうしろよ)……わっかりました! 市内局番"61"地区は「網浜町」だ! ……で、それって、何処?
取り敢えず「網浜町」、という地名が出てきただけでも大収穫。残り時間は道場での修行に費やして、探索の続きはまた明日〜。
翌朝、道場で福さんと組み手をした後ドブ板へ。
「網浜町」について情報収集すると、花屋「スマイリー」の店員さんが、タバコ屋の先にあるバス停からバスで行けると教えてくれた。
「網浜町」行きのバスは30分間隔で運行していて、00分と30分にバス停に停まる。運賃は片道160円也。
バスが来たら早速乗り込み、いざ行かん「網浜町」へ! ……と一人盛り上がったところでDISC1が終了するのでございました。
DISC2への交換が終わり、到着したのは憧れの地(?)網浜町。そこは所謂横須賀港湾地区で、周囲には巨大な倉庫が建ち並んでいる。目的の「第8倉庫」もここにある筈なのだ。
第8倉庫第8倉庫〜♪とテキトーな歌を口ずさみつつ進んでいると早速イベント開始。気合いの入ったリーゼントとその子分が、相当人目に付く場所でカツアゲをしているではないか。
「今時カツアゲなんてはやらないぜ」などと言いつつ涼が近付いて行くと、案の定QTEに突入。軽くこらしめて差し上げ、第8倉庫の場所を聞くと……取り敢えず、右に行けば良いのか(よく聞けよ)。
第8倉庫を探すのも良いが、折角新しく来たエリアなのだから、あちこち探索したい。という事で駆け回っていたら、何とトムのホットドック屋を発見した。商売の範囲を広げたいのだろうか、それとも広い場所で不思議な踊りをしたいのだろうか。
その後、半ば迷子になりつつも倉庫街を探索しているとイベント発生。ありゃ、第8倉庫に来ちゃったのかしらん……と思ったが、そうでは無かった。丁度通り掛かった倉庫から、老人が摘み出される場面に遭遇してしまったのだ。
警備員に追い出された後座り込んでしまったその老人に話し掛けると、温かいコーヒーが飲みたいという。まぁ100円だし、と自動販売機から買って来てあげると、若いのに気が利くと感謝され……終了。こ、これだけかっ?
その後、トマトーマートで買い物しまくったりガチャガチャっている(笑)間に夕方4時。夕焼け小焼けの時間ともなると(曇ってるけど)、弱気の虫が湧いて来ます。
……うーむ、買い物沢山しちゃったし、取り敢えず第8倉庫の場所だけ確認したら一旦セーブしに戻ろうかな、でも大した事無いのにいちいちセーブしに戻るのもアレだな、という事で、攻略本で確認してみる事にした。
実の所、今回のプレイに当たっては、極力攻略本を見ない様にしている。
このタイプのゲームは攻略本を見れば確かに効率良くプレイ出来るのだが、一方であちこちを探索する面白味も欠けてしまうと思うのだ。「無駄な行動=死」などならともかく、少なくともこの作品に関しては寄り道するのもまた一興、って事で。
……でも、攻略本見ないと先に進めない、という事態も無きにしも非ずなのだが。
話は戻り、攻略本(ソフトバンクパブリッシング刊。微妙に嘘がある)を紐解いてみると、どうやら第8倉庫に行く前に一旦ドブ板に戻った方が良いらしい。見落としがちなサブイベントがあるそうな。
ドブ板でバスを降りると雨が降り出していた。そういや涼さんって傘差さないよなぁ、と思いつつ家に戻って七時を待つ事に。七時頃に原崎から電話が掛かって来るのだ……って、え? 雨の日は掛かって来ない、だとぉ?
メインシナリオは先に進められず、サブイベントも起こらない、となれば修行かガチャガチャかしかない。が、あんまり散財すると後で苦労しそうなので、道場に行って就寝まで修行する事にした。明日になれば雨も止むだろうし。
翌日、今日も朝から雨。朝一番に福さんと組み手をした後、ドブ板の駐車場に行って練習(日中は道場で練習出来ない)し、夕方になってから道場に戻り、引き続き練習。結局雨は降り続いた。
更に翌日、またしても雨。ここで発狂しては終わりなので、心落ち着けつつ福さんを組み手で投げまくり、泣きながら駐車場へと練習に行く。……すると、涼の恨み言が通じたのか、午後から雨が上がった。
晴れ晴れとした顔で練習し、夕方四時頃に自宅へと戻ろうとお稲荷さんの前を通り掛かると、猫が歩ける様になったというイベント発生。良かったね、タマ。
運命の七時頃、家の玄関先を動物園のクマの様に行ったり来たり。すると本当に電話が掛かってきた! ヒャー!
も、申す申す? と電話を取ってみると、相手は原崎。話したい事があるので今すぐ桜ヶ丘公園に来い、との事。
原崎の用件とは、ぶっちゃけて言えば『愛の告白』。何でもカナダ在住のご両親が、彼女をカナダに呼び戻そう(原崎はもともと帰国子女なんだそうです)としているので、今の内に気持ちを伝えておきたかったそうな。
で、「告白」となれば次に来るのは「返事はいかに?」なのだが、今の涼さんにそれを即答するのは正直無理。多分、涼さんも原崎を憎からず思って……というか、好きなんだろうけど(自覚してないっぽいが)、今は応えてやれる余裕が無いのだ。
取り敢えず、返事は保留って事にして、原崎とバイバイする涼さんなのでありました。……いいよね、若いってサ。
ところで、サブイベントはまだまだ続く。今度は原崎の告白イベントの翌日、しかも夜になるのを待たなければならない。
それまでは修行の鬼と化してどうにか時間を潰し、夜になったらドブ板の「バーYOKOSUKA」へと向かう。
「バーYOKOSUKA」に入ると、いつもは涼を子供扱いして(実際未成年だし)いる美人ホステスのアケミさんが、珍しく涼に話し掛けてきた。どうやら福さんが涼の居場所を探して電話を掛けてきたらしい。
マスターの西条さん曰く「福さんはアケミと話したかっただけではないのか」という事だったが、そうではないらしい。何でも自宅の方に涼の友人が訪ねて来ているのだそうだ。
友人、という言葉に一抹の不安を感じ、自宅への道を急ぐ涼。そして母屋へと帰り着くと、普段と変わらぬ福さんが出迎えてくれた。
福さんの言う事にゃ、訪ねて来ている友達とは、涼の幼馴染みである桜田と伊藤であった様だ。良かった、ヘンな奴じゃなくて……。
ちなみに、このやり取りの時、福さんが「アケミさんが自分の事を何か言っていなかったか」と尋ねてきて、涼が「いや別にぃ」(そんな言い方はしないけど)と答えると、露骨にガックリする様が見られる。西条さんの言った事ってあながち外れてなかったのね(笑)。
二人の親友の訪問理由はこれまた明確。一人で必死に何かをやっているらしい涼が心配になったらしいのだ。友達なのに水くさいぞ、というヤツ。
そう言えば、「友達は一生モンだから大事にナー」(要約)、と巌もよく言っていた。ありがとうありがとう、僕等はいつまでも友達さ! ……という感じがあんまり涼さんから伝わって来ないのは、感情を余り外に表さないからなのか。
さて、一連のイベントが終わったので、漸く本編に復帰。次回は、改めて第8倉庫を目指しちゃうぞ。
朝恒例の福さんとの組み手を終えたら、いざ第8倉庫へ。
ある程度倉庫に近付くとイベントが始まり、警備員から立ち入り禁止だと制止されてしまった。そりゃそうだ、常識的に考えたら勝手に入ってはいかんでしょ。
それでも、ここで引き下がるワケにはいかない。正面からが無理なら何処か他の入口を、と探し回ったところ、裏の方の窓が開いている事に気付いた。早速側に積んであった木箱を移動させ、それを足場に窓から潜入する涼さん。……誰かー! 犯罪者がいますー!
抜き足差し足で忍び込んだ倉庫の二階。事務所らしき方へと進んでみると、人が居るのか何やら話し声が聞こえてきた。
なになに、伝票のミスで違う荷物が届いてる?「旧倉庫街」にある「第8倉庫」? ……第8倉庫って一つじゃないのか!
新たな事実を掴んだ後、倉庫の外に出て「旧倉庫街」について手当たり次第に聞きまくる。すると、「旧倉庫街」は今の倉庫街の北西部にあるという情報を入手した。そこで早速行ってみると……わぁお、トムのお店のすぐ近くじゃん。
折角なのでヘイ、トム、儲かってるか? と嫌なカンジで声を掛けてみたら、港に関しては「ホクホク弁当」の「ひさかさん」が詳しいヨ、との事。そういや、倉庫街に出張販売所があったっけなぁ。
ひさかさんはさておき、今は取り敢えず目の前の「旧倉庫街」に用がある。なので胸を張って堂々と入って行こうとしたら……倉庫街入口で制止されてしまった。ここから先は立ち入り禁止なんだってさ。ちぇ。
話によると、旧倉庫街の警備はかなり厳重らしく、簡単には侵入出来ない模様。しかも旧倉庫街を利用しているのは中国系の会社だと言うではないか。……ますます臭うぞっ。
引き続きあちこちで聞き込みをしていると、ホクホク弁当が見えてきた。そう言えばトムがひさかさんなら詳しいと言ってたなぁ、と思いつつ近付いてみるとイベント発生。ひさかさんの妹でスケバン(笑)少女の「麻衣ちゃん」が、姉に金をたかっているではないか。
姉妹の問題に首を突っ込むのもなぁ、と遠巻きに眺めていると、金を貰えなかった麻衣ちゃんは、捨て台詞を吐きながら仲間達と何処かへ行ってしまった。その後ひさかさんに話し掛けてみると「グレかけている麻衣をどうにかしてくれ」と、いきなり頼られてしまった涼さん。
解りました、やってみましょう、と快諾した涼さん。取り敢えず麻衣ちゃん達が居るという倉庫街の奥の方へと行ってみると……居ました居ました。長いスカートでヤンキー座りしている古き良き時代のスケバン共が。
突然の涼の出現に「涼兄ィ」と驚く麻衣ちゃん。そんな彼女に「ひさかさんが心配してるよ」と伝えると、仲間のスケバン共が勇敢にも絡んで来てQTE突入。このQTEは失敗してしまうとそのまま話が進んでしまうらしいので(殆どのQTEはやり直しが可能)、慎重にスケバン共を捌く涼さん。女相手だからか手加減はするものの、しっかり失神はさせている所はソツが無いというか。
「麻衣ちゃんの素行についてアレコレ言うつもりは無いけど信じてくれてる人を裏切るなヨー」といった趣旨の事を言い聞かせ、そのまま去って行く涼さん。
一方、その場に残された麻衣ちゃんは半ば呆然としつつも、倒れてしまった仲間の介抱(?)をするのでありました。多分、何が何だか解らないんだと思われる(笑)。
麻衣ちゃんと話して来ましたよー、とひさかさんに報告しに戻ったところ、ひさかさんは丁度弁当を旧倉庫街へと配達に行くところだった。その数は12個なのだが、旧倉庫街で働いているのは10人の筈なのに変ねぇ、というひさかさん。
二人分食べる奴が居るんじゃ無いですかね? とか何とか言いつつも(注:言いません)、代わりに弁当を配達してきましょうと申し出た涼さんは、探りを入れる事にしたのであった。
「お弁当でーす」と旧倉庫街の入口にある警備室へと行くと、侵入しようとした涼の事を覚えていたのか不審そうな顔をする警備員。だが今の涼さんはただのお弁当屋さん。素知らぬ顔で……警備員の様子を窺ってみた結果、警備員の交代時間が狙い目だという結論に辿り着いた。
ん。よし、決行は警備が手薄になる夜になってから(普通は夜の方が厳重になりそうなモノなんですが)だな……という事で、一旦自宅へとセーブに戻り……続きは次回に。
このシェンムー日記、どうしても毎回長くなっちゃうなぁ。
太陽も沈み、皆がお家に帰り始めた町を逆走しつつ旧倉庫街へと向かう涼さん。
案の定、入口に警備員は立っていなかったものの、警備員室に一人詰めているのでこのまま入るのは無理だ。
そこで涼さんは警備員室の窓の下を通って行こうと思い立ち、身を屈めて進み始めた……のは良かったが、突然鳴り始めた電話にびっくらこき、頭上にあるカウンターに乗せてあった懐中電灯を落としてしまった。
いかん、このままでは気付かれる! という事でQTE発生。成功したら、間一髪の所で懐中電灯をキャッチする事が出来る。
ヒヤヒヤしつつも旧倉庫街に侵入した涼さん。後は第8倉庫を探すだけだ。
取り敢えず、すぐ側に建っているのは第6倉庫なので違うなぁ、と更に奥に進もうとしたのだが、警備員が巡回していたので咄嗟に物陰に身を隠した。う〜む、こりゃあ警備員の目を盗みながら進まなきゃならないみたい。
さぁ、ここからはドキドキの潜入ゲームの開始となる。
警備員に見つからない様にして、第8倉庫を見付ければ良い……のだが、一筋縄ではいかないんだな、これが。
三人の警備員は一定のコースをグルグルと巡回しているので、彼等の視界に入らない様にして進む必要がある。物陰に隠れる事も出来るが、不用意に進んだりすると呆気なく見付かるのが恐ろしい。
もし見付かった場合、そのまま外に追い出されるのならまだ良いが、なんと強制的に一日が経過してしまった上での再挑戦となる。つまり「失敗して追い出される→明日の晩また挑戦だ!→自動的に翌日の夜になる→再挑戦」とう事で、五回失敗すれば五日分日付が進んでしまうのだ。
ここに来て、いきなり高難易度のミニゲームが始まったという感じなのだが、一応の救済処置もありまして、失敗し続けていると、以前にコーヒーを奢ってあげたホームレスのお爺さんから倉庫街の地図やらヒントを貰え、最終的には警備員の数が2名になるそうだ(笑)。
コツとしては、一日で終わらせようとは考えず、まずは第8倉庫を見付ける事から始めた方が良いかもしれない。
ちなみに、私の場合はどうだったのかと言うと、運の良い事に2回目の挑戦で辿り着けた。1回目は操作にマゴつきのっけから警備員に見付かってしまったのだが、2回目はとにかく警備員の居ない方居ない方へと逃げ隠れしていたら、知らぬ間に辿り着いてしまったのだ。
最初「5回失敗して駄目だったら攻略本見よう」と思っていたのだが、思わぬ幸運。腰抜け戦法が逆に役に立ったか。
ただ、第8倉庫に到達した後、入口が解らずパニックになりかけた。入口は、デカい扉の右側にある小さなドアです……。
心臓をバクバク言わせながら侵入した第8倉庫。何があるのかと思いきや、中にあったのは皿や壷だけで人っこ一人居ない。あれー? もしかしてここでも無かったのか?
すっかり困ってしまった涼さん、何か手掛かりは無いものかと、置いてあった壷を手に取って眺めてみるも何も見あたらない。じゃあこっちの皿は……と、壷の横にあった白い皿を手にした瞬間。
突然倉庫に明かりが灯り、驚いた涼さんは皿を床に落としてしまった。パリーンっとな。
ちちちち違います、ドロボウじゃあ無いんでス! ……などと狼狽する事は無いが、それなりに驚いている涼さんの前に現れたのは眼光鋭い男。赤いネクタイに、グレーのダブル6ツボタンスーツという出で立ちというところを見ると、警備員や倉庫の労働者では無い模様。それにしても6ツボタンなんて久々に見たぞ。
スーツの男は涼と同じく武術のたしなみがあるらしく、お互いに身構えて睨み合う……と、突如一人の老人が現れ「貴章」という名らしいスーツの男を諫めた。
実は、この老人こそが「陳大人」。手紙に書いてあった名前だ。
陳大人は涼が先日の電話の主だという事に気付いていた様で、涼が持っていた手紙が本物である事を確認すると、色々と説明してくれた。
陳大人から聞いて判明した事は、大体二つ。
一つは、藍帝とは「蚩尤門」という中国の悪組織(笑)の幹部で、既に途絶えた筈の拳法の使い手だという事。そしてもう一つは、藍帝が芭月家から奪ったものは龍をモチーフにした鏡であり、それとは別に、鳳凰をモチーフにした「鳳凰鏡」なるものが未だ涼の家にある筈だ、という事だ。
ああ、あとオマケとして、貴章は陳大人の息子だった、って事も。
陳大人とのイベントが終わると、自動的に自宅に戻され翌朝となる。
今日は家にあるらしい「鳳凰鏡」とやらを探さなければならないので、取り敢えずは稲さん聞いてみようとしたところ、福さんが庭で呼んでいるとの事だった。福さんが? 何だろ。
庭に出て、桜の木の下に居る福さんの所まで行ってみると、ちょっとしたイベント開始。「みんな稲さんに話しちゃいました!」と、福さんは深々と頭を下げてきた。
「稲さんだけ何にも知らされないなんて」という福さんの言い分は解る。解るが、稲さんに余計な心配はかけたくないのだけれどなぁ、と思いつつ稲さんにフォローを入れに行こうとすると、稲さんも庭に出てきていた。福さんの声が大きいから、だって(笑)。
もう涼を止めても無駄だという事を思い知ったらしい稲さんは、亡くなる数日前、巌が何かを骨董屋に預けていた、と教えてくれた。
骨董屋……もしかして、鳳凰鏡か!?
次ぎなる手掛かりが見えて来た所で、続きはまた次回に。
稲さんが教えてくれた事を頼りに、ドブ板の骨董屋を目指す涼さん。
骨董屋って言えばアレだ。いつも技の書買ってた所だよな。小さい子が店番してる。
わっせわっせと山の瀬の坂道を下っていると、お稲荷さんから猫の鳴き声が。そういや最近餌あげてなかったよなぁ、と神社に入っていくと、イベントが始まってしまった。
猫を撫で撫でしながら涼さんが一人ごちていると原崎嬢が登場。「私には何も教えてくれないのね」と突如拗ねモードに入られて困惑。
……ええと、私的にも原崎は別段嫌いじゃあ無いんですけど、何かちょっとこういうのはウザ……いかんいかん。心配してくれてる人にそんな事を思っては。
気を取り直してドブ板の骨董屋「骨董文化堂」へ。今日は店主のお爺ちゃんが店番。
芭月ですけどオヤジが何か預けてたそうで……と尋ねてみると、それは「鳳凰鏡」ではなく刀の鍔だった。
渡された刀の鍔は芭月家に代々伝わるもので、当主が18歳になった時に受け継ぐものなのだという。近々涼に継がせようとでも思っていたのか、巌が骨董屋さんに磨き上げるよう頼んでいたらしい。……嗚呼、パパ上。
それにしても何で刀じゃなくて鍔だけなんだろう、と首を傾げつつ自宅へ引き返していると、すずめ公園で山岸さんの姿を見付けた。山岸さんLOVEの自分としては見掛けたら必ず話し掛ける事にしている……のだが、居たのは山岸さんじゃなくて劉さんだった。LOVEはどうした、LOVEは。
まぁいいか、と劉さんに声を掛けてみると、涼は何故か唐突に「天龍地友」の意味について聞き始める始末。ちなみに「天龍地友」とは香港島の伝説なんだそうです。思わぬ所で勉強になりました。
その後、改めて自宅へと向かっていると山の瀬方面へと曲がろうとした辺りで突然イベント発生。
涼の前に姿を現したのは……何と、陳大人の息子である貴章だった。
もしや貴章は蚩尤門の手の者なのか? と警戒する涼に挑み掛かってくる貴章。そのまま、ちょっとしたバトルに突入する……が、イベントバトルなので勝敗は付かず、暫くするとバトルは終了してしまった。
実は、貴章は陳大人から涼のボディガードをする様に指示されていたらしい。なのに挑んできてどうする、とツッコミを入れようとしたら、それは自分でも解っていたらしい(笑)。ともかくも、鳳凰鏡だけは藍帝に渡してはいけない、と、涼に忠告(?)してくる。
涼と貴章がそんなやり取りをする一方、住宅の屋根の上に怪しい影が。
スキンヘッドに裸足、そして半袖ハーフパンツという異様な風貌の男が二人の会話を盗み見ていたかと思うと、何かナイス情報でも手に入れたのだろう、嬉々として消え去ってしまったのだった。
そんなこんなで漸く自宅に帰り着くと、福さんが庭にいた。そこで早速刀の鍔を見せたところ、鍔は家紋の形をしている様だという話になり、更に、稲さんに聞いてみると良いのでは、という事で稲さんの元へと向かう事に決定。
仏間に居た稲さんに持ち帰った刀の鍔を見せてみると、確かにそれは芭月家の家紋であるという。「雪輪に二つ星、一つ剣」なんだそうです。
うーん、家紋になっている刀の鍔……。で、鍔だけって事はこれと対になっている刀があってもおかしく無いよなぁ。鍔の無い刀……鍔の、無い………あッそう言えば!
とてつもなくワザとらしい運びで申し訳無いのだが、鍔の無い刀に心当たりが有り過ぎた。ゲーム開始直後、家捜ししまくった時に巌の部屋から謎の鍵を発見していたのだが、その鍵で道場にあった謎の木箱を開けたところ、中から鍔の無い刀を発見したのだ。
だが、その時点では何に使うか解らない上、木箱に戻す事も出来なかったため……無防備にも、道場の入口近くの壁に立て掛けてあるのですよ。ははは。
一歩間違えば取り返しに付かない事になりかねなかった涼さん、猛ダッシュで道場に飛び込みハァハァ言いながら鍔の無い刀を確保。良かった、無事だった。
兎にも角にも、この展開ならやはり鍔を刀に填めるのだろう、そうに違いない! ……と思いきや、そうでは無かった。填められないのよ、これが。
一体どうすればよいのだ! と自らの頭の固さを責めながら道場をひたすらグルグル走り回っていると、ある事を思い出した。
……確か、掛け軸の裏に何か仕掛けっぽいものがあった様な。
序盤、物珍しさの余りに家中の掛け軸という掛け軸を捲って遊んでいたのだが、道場の掛け軸は裏に何かあった筈。という事で、二枚並べて掛けてある掛け軸を捲ると、刀の鍔と同じ形をしたパネルの様なものと、カード差し込み口の様な穴をを発見した。
ここはやっぱりこれしかない、と、左のパネルに刀の鍔を使ってみると、予想通りジャストフィット。更に、右の穴には刀の刃を収める事が出来た……と思った瞬間、壁が回転したではないか。返し扉だったのか!
扉を抜けた先に広がったのは、石壁に囲まれた小部屋。そしてその奥には更に下へと続くらしい梯子がある。
我が家にこんな仕掛けがあったとは、と驚愕しつつも、涼さんは梯子に手を掛け……る前にセーブしに自室へ戻ったのでありました(笑)。