シェンムー 一章 横須賀 [ セガ/SEGA-AM2 '99 ]
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■第31回

トムから帰郷する事を告げられたその日の晩、「マッド(略)」の手引きで貴章を待ち伏せする事となった涼さん。
港のある場所で待機していると、連中の言う通り貴章がテクテク歩いて来た。通勤か帰宅か散歩か夢遊病かは知らないが。

突如姿を現した涼に、貴章は当然困惑するが、そんな事はお構いなしに挑みかかる涼さん。「お前を倒せば藍帝に会える!」と完全に臨戦態勢。

結局、一度は本気で闘ってみたかったとか何とか、この手のシーンではお決まりの展開でフリーバトルに突入してしまうのだが、今回ばかりは、流石の涼さんもそれなりに考えていたらしい。本気で打ち合いつつも、貴章の耳元で「ワザと負けろ」と八百長(?)を持ち掛けたのだ。

ところがどっこい、そんな持ち掛けに応じる貴章ではない。涼に何らかの事情があるのは解っているのだろうが、彼にも武闘家としての……いや、30歳が18歳に負けるワケにゃあいかない、というプライドかもしんないが、とにかく彼は首を縦に振らないのだ。

こうなっちゃえば、後は全力勝負。思う存分殴り合った二人は地面に倒れ込み、「お前、なかなかやるな」「へへへ、お前こそ」といった類の変な青春群像が繰り広げられかけたのだが、それを阻止したのは一部始終を見物していたテリーだった。
ヘタっている今こそ貴章を潰すチャンスとばかりに、先にコンクリートの塊か何かが付いた鉄パイプを振り上げ、貴章目掛けて振り下ろしたのだ!

「貴章───────ッ!!!!」

───港に、涼の悲痛な叫びだけが谺していた……。

[完]

……まぁ、こんな風に終わりはしないんですがネ。
実際はテリーが鉄パイプを振り上げた時にQTEが始まるので、素早く「→」を押せば涼が貴章を避けさせて事なきを得るワケですが、失敗すると前述の展開になります。というか、なりました。勿論やり直し。
ちなみに、ソフトバンク刊「シェンムー 一章 横須賀 コンプリートガイド」では、このQTEでの入力コマンドが「←」となってますが、大嘘です(笑)。

卑怯なマネをしてくれたテリーに怒り心頭の涼と貴章は、ジリジリとテリーを追い詰めるものの、脱兎のごとく逃げ出すテリー。当然、二人はそれを追い掛けて行き……このゲームのクライマックスとも言える、70 人 抜 き バ ト ル に突入する。いわばボス戦の様なもの?

貴章と二人で挑む事になるこのフリーバトルは、文字通り次から次に湧いてくる「マッド(略)」の連中70人をボコっていかなければならない。
流れとしては、ザコを一定数倒したら幹部が登場、というもので、実際には「ザコ20人→幹部その1→ザコ19人→幹部その2→ザコ28人→幹部その3(ボス)」というカンジ(数字は多少誤差があるかも)。

70人相手というと一見大変そうだが、ザコ戦に限ってはそうでも無い。Yボタンで捌いてから反撃、を守っていれば私の様な格闘下手でも十分切り抜けられるし、格闘の上手い下手以前に、楽して戦うポイントがあったりする。

一つは、「バトルがスタートした場所から先へ進まない」という事。
このバトルは、テリーを追う様にして港の奥へと進みつつ闘う、といった形式なのだが、実は先に進まなくても敵の方から勝手に来てくれる。なので、やって来る敵を確実にボコっていけばOK。しかも敵が涼達の所まで到達するには少々時間がかかるので、その間に体力を回復する事も出来るのだ。こりゃ楽。

もう一つは「貴章に敵を押し付ける」事(笑)。
前述の通り、このバトルは貴章と二人で行うのだが、ある程度は貴章が片付けてくれるので涼は後ろに下がって傍観していても良い(笑)。
但し、貴章は挑んできた敵にしか応戦しない様なので(不確定)、敵が貴章を無視して涼に突っ込んで来た場合は、当然涼が闘わなければならない。しかも貴章は自分の手が空いているとしても助けたりはしてくれず、涼が二人相手に闘っているにも関わらず画面端(戦っている内に寄って行ったらしい)で構えたままボ〜っと突っ立っていたりするので、そんな時は強引に貴章の側に行って巻き添えを食わせると良い。
更に、完全に画面端に寄ってしまっている時は、敵のいない時にでも身体をぐいぐい押して画面中央に移動させてあげましょう(笑)。

さて、そんな感じでザコ戦はOKだった私ですが、流石に幹部連中相手にボンクラ戦法は通用せず、それなりに苦労した。それでも、初回にして70人目の「幹部その3」まで到達する事に成功したのだが……結局無様に負けってしまった。

だが、やり直してナンボのこのゲームの事だ。どうせ「幹部その2」後のザコ戦からだろ……とタカをくくってしまっていたのが、甘かった。ここにきて「シェンムー」はその本性を現し(笑)、再び1人目からやり直す事を要求されてしまったのだ……。

と、いうワケで、次回はその厄介な幹部連中についてお話しましょうかの(誰だよ)。

■第32回

70人フリーバトル、幹部編。
幹部キャラは一定数のザコを倒すと登場する。ちゃんと登場シーンが挿入されるので解りやすい(笑)。

一人目の幹部は迷彩柄のジャケットを着た男(村崎真吾というそうです)で、今までのフリーバトルでも数回見掛けた事があるのだが、正直彼はザコに産毛が生えた程の強さでしかないので、気付けば倒していたという事も十分有り得る。

個人的に大変だったのは、2人目の幹部(長田聡史)から。初めて挑んだ時はテキトーにしている内に倒してしまっていたのだが、何故か2回目はコイツに負けてやり直しと相成ったのだ。
一応、敵の動きを目で追ってきちんと捌いたりしていたつもりなのだが、角材(鉄パイプかも)攻撃(長田はこのバトルで唯一エモノを使います)でことごとくボコられ、あえなくダウン。

だが、こんな所で手間取っていても仕方が無いので、3回目は超法規的手段に。
……相変わらず画面の隅で呆けていた貴章を無理矢理巻き込み、2対1でボコった(←鬼)。
今考えると、バトル開始地点で戦ったのがマズかったのかしら。奥の、もっと広い所に行けば良かったかしらん。

さて、最後の70人目は幹部その3、ペドロ=ウォーレン。
彼はテリーの右腕である大男で、ハードゲイ……じゃなくて、一昔前のアメリカ映画なんかで見掛けるバイカーさん(ハーレー乗りさんとか)の様な格好をしている。
このオッサン、デカいだけあって技もパワフル。投げ技はもとより、油断するとドロップキックで吹っ飛ばされるので一切気が抜けない。
……しかも、小賢しい事に、こいつと戦う時は突然貴章がいなくなるんですけどッ。何処行った貴章ッ(笑)!

逃亡した貴章はさておき、1回目の挑戦ではボロボロに負けてしまったワケですが、敗因はやはり戦闘場所にあった模様。ペドロの繰り出す技は喰らった後に一定時間行動不能になるのが多いので、狭い場所だとすぐに追い詰められ、運が悪ければハメられてしまうのだ。

……と、いう事で3回目の挑戦時(2回目は長田で負けたので)はこちらから出撃し、奥の広い場所へ。何という事だッ、実に戦い易いじゃないかッ! ……今まで横着し過ぎた事の報いだったのか。

そんな私のペドロ攻略法は、所謂ヒット&アウェイ。わざと周囲をチョロチョロ走り回って攻撃を誘い、大空振りしたところをドツく、という戦法。パターン的に一番多かったのはドロップキックの空振り後、背後や側面からの連続蹴り。間合いが近ければ投げ技も有効。
少々情けない戦法ではあるのだが、上手くやればノーダメージで勝つ事も出来ると思いますです。
……まぁ、3回目の正直で漸く勝てた人間が偉そうに言える事でも無いよね……。

そんなこんなで、次回はテリーを追い詰めちゃうぞー。

■第33回

70人抜きバトルも無事に切り抜け、いよいよテリーを追い詰めた涼と貴章。
よっしゃ、次はテリーとのバトルか! どんと来い! ……と思いきや「テリーは自分が殺る」(一部誇張)と貴章が言い出した。
そうね、直に対立してたのは涼じゃなくて貴章の方だしね、と了承するとと、ちょっとしたQTEを挟みはしたものの、貴章は見事テリーを叩きのめし、ここに「マッドエンジェルス」は壊滅と相成ったのでございました。……たぶん。

やれやれ、これで一段落付いた。良かった良かった……って、良くねぇよ! このノーセンス野郎! 藍帝に会わせるっていう約束はどうした!

未だ寝かせるかとばかりにテリーを問い詰めたところ、何と藍帝はチャイ(船券食べたり涼ボコったり電話してきたりしたヤツ)が手引きしてしまったらしい。

こん畜生、それじゃあ結果的に藍帝逃しちゃったって事じゃん! と涼さんがイライラカリカリしていると、見るに見かねた貴章が涼の香港行きを陳大人に頼んでやろうと言ってくれた。ありがとう! 30歳にもなって18歳相手にムキになるなよ、な〜んて言ってごめんね!
……でもさ。元はと言えば、アンタ等がとっとと香港行きに協力してくれないから「マッド(略)」相手に大立ち回りするハメになったとも言えなくないよね(逆恨み)?

そんなこんなで香港に行きが確定してしまった涼さん。貴章との会話シーンを終えると自動的に翌朝になり、生まれ育った家を後に……しようとしたら、福さんが封筒を差し出してきた。稲さんと福さんからの餞別だって。
……ありがとう福さん。でも、貯金もう無くなったんじゃなかったの? などと心の奥底で思いつつも福さんに深々と頭を下げ、稲さんにも御礼をと白い割烹着姿を探すものの、考えあっての事なのだろう、涼に顔を見せてはくれなかった。でも、きっと何処からか見ててくれるよねって事で、涼はもう一度頭を下げましたとさ。

そんなこんなで福さんと稲さん(母屋の影から見送ってくれているのです)に背を向け、芭月家の門を出る涼。その後はドブ板をゆっくりと歩いていくムービーが続き、港へ到着する流れになる。

シーンは変わり、港へと到着した涼さんの前に現れたのは、陳大人と貴章だった。
「船を世話してくれてアリガトウゴザイマシタ。しかも見送りまで、至れり尽くせりで恐れ入ります」などと勝手に挨拶しようとしたら、何と貴章も一緒に香港に行くと言うではないか。
……ああ、涼さん未成年だから保護者兼通訳? 広東語話せるの? 実は生粋の日本育ちで大陸に渡るの初めてとか言わないでしょうね?
などとアレコレ妄想していたら、今度は陳大人が技を教えてくれる事に。えー、こんな最後の最後になって……なんて事は言いません。きっちり教えて頂きました。『燕旋擺柳 (えんせんはいりゅう)』。

さて、技も覚えた事だし今度こそ本当に出発の時間。名残惜しいが行かねばならぬのよ……などと陳大人に別れを告げていたら! 涼の頭上から鉄骨が! 芭月ーっ、上! 上ッ!

画面外からの呼び掛けも虚しく、涼目掛けて落下する鉄骨。
……が、己が身を挺して涼を庇った人物が居た。貴章だ。

間一髪で回避出来た涼だったが、代わりに、貴章の膝が鉄骨の直撃を受けてしまった。畜生、何処が管理してやがったんだこの鉄骨は! こうなったら訴訟起こして金毟り取ってやる! 怪我したの貴章だけど! ……などと、目をギラギラさせていた涼の前に現れたのは、チャイだった。チャイとは、以前香港行きの船券を食(以下略)。

要約すると「お前はここで俺に負けるのだから藍帝様の所へは行けない」なんて事をぬかすチャイ。
そうだった。すっかり忘れていたが、藍帝を逃したのはテメェの所為じゃ! ついでに貴章の仇! ……と、挑みかかったところで最後のフリーバトル開始。

そうなのだ、あの「70人抜きバトル」がラストでは無かったのだ。

何はともあれ詳細は次回。最終回になれば良いんだけどなぁ、無理かなぁ。

■第34回

最後の正念場、チャイとのフリーバトル。
前回ゲーセンで戦った時はボコられたので、今回は事実上のリベンジとなる。

結論から先に言うと……三度目の正直で勝った。自分なりの攻略法を見い出すのにそれぐらい要してしまう自分が哀しい。しかも回数重ねる毎にHP減り難くしてくれるしなー(涙)。

そんな私が用いたチキン戦法はと言えば、基本中の基本、ヒット&アウェイ。こっちから仕掛けても高確率で避けられるので、向こうから仕掛けてきた攻撃を捌き、すかさず「踏み蹴り」で向こうに吹っ飛ばす、の繰り返し。隙がある様なら蹴りの連続技を入れても良い。但し、その場に留まっていては隅に追い詰められて危険なので、背中を見せない様にゆっくり後退しつつチャイが仕掛けてくるのを待つと良い塩梅だった。走って場所移動してたら逆に奇襲されがちだったので、焦らずジリジリと移動するのが良いみたい。
そんなこんなでえらく時間がかかってしまったものの、前述の戦法でいったところほぼノーダメージでチャイ撃破に成功した。ハァハァ。

テメェ今の今までよくも邪魔ばっかしてくれやがったな一体俺の何の恨みがとりあえず藍帝は何処だ! と一息に怨念を込めてチャイに詰問したところ、返って来た返答に愕然。なんと、藍帝は既に船上の人だというではないか。
クソったれ、こんな所でグズグズしてる場合じゃ無いじゃん! と涼さんが苛々を募らせていたら、未だ懲りていないのか再び攻撃を仕掛けて来るチャイ。が、これはQTEイベントなので、「お前に構ってる暇なんかもう無いっちゅーの!」と、言わんばかりの涼に呆気なく反撃され、哀れチャイは海へと沈んで行くのでありました。…………コイツ、絶対死んでねぇな。

チャイの海ボチャを見届けた後に貴章の元へと向かうと、流石にこの足では涼に同行する事は出来ないと言う陳大人。そりゃそうだ、って言うか、同行の決定から断念までの時間が短か過ぎやしませんか? アンタ等。

貴章が来られなくなったのは誠に残念ですが、まぁ、もともと一人で行くつもりだったんだから問題は無い(ひどい)。それじゃ、と、一人船上の人となる涼さんなのでありました。

この後は、山の瀬の神社で原崎から御守りを貰う回想シーンを挟みつつ、旅立つ涼さんのムービー開始。回想シーンでは、原崎が福さんから涼の香港行きの事を聞き出していた事が判明。最後の最後まで強かな小娘め……。

原崎を想うというよりは心底恐れつつ、故郷横須賀を離れて行く涼は、、一人、未だ見ぬ悠久の大陸へと(行くのは香港だけど)想いを馳せるのであった。完。

……それにしても、スタッフロールがあっさりし過ぎだよ……。

□ ■ □

さて、これで「シェンムー 一章 〜横須賀〜」のプレイは終了。最後は思い切り駆け足の様になっていたが、実際の展開も駆け足だったので仕方が無い。なんせこのプレイ日記での第27回〜今回までの展開は、ほんの数時間の内に消化出来てしまうのだから。

プレイ後の個人的感想としては……「最初は楽しかったが終盤ダレた」ってな感じだろうか。
バイトを始める前と後の自由度の格差が大きいので、バイト開始と同時に、唐突にシナリオを追うだけの作業ゲームになってしまった感がある。

とは言え、元々きっちりとしたシナリオがあり目的も提示されているのだから、自由度が高いゲームなのにタイムアウトEDがある(所謂バッドED。4/15までにクリアせずにいると見る事が出来るらしいです)というのは納得出来る。
シナリオを進めず技の修行に勤しんだり、ガチャガチャに熱狂したり、一日家に籠もってSSやってたり(笑)と、楽しみ方は自由だが「きっちり目的は果たしなさいね」という事なのだろう。遊んでても良いけど、それが招いた結果は自己責任ってか。

シナリオに関しては、妙な伏線も無く(今の所は)前に前に進むので解りやすかったものの、ちと内容が古いというか、使い古されたシチュエーションである気もする。港・不良(笑)・悪の組織(しかも中国系)とかね。

その他には、もうちょっとプレイヤーを待たせる時間が短い方が良かったかもしれない。ロード時間はともかくとしても、QTEやバトルで失敗した後のやり直しの際、一度見たイベントをスキップ出来ない……って、これは失敗に対するペナルティって事なのかしら。もしかすると(笑)。
そうなると、下手っぴな私が悪いって事か……。ガクー。

そして最後に申し上げるのは、今作のヒロインである原崎望嬢について。
性格は個人の好き好きなので百歩譲っておくとして、声はどーにかならんかったのか。安めぐみは大好きなのだが、あの棒読みっぷりは愛せない。せめて、せめて今の彼女だったなら演技が出来たであろうに……。残念無念。

話は変わるが、「一章」と銘打っている事からも解る通り、このゲームは「シェンムー」という壮大な物語のプロローグであるに過ぎない、らしい。
プロローグで躓いちゃって後がグダグダになっちゃってるという説も有るにはあるが(笑)、続編である「シェンムー 2」(「二章」では無いのがミソ)は今作よりも良作だという話もよく聞くので、プレイ出来る日を楽しみに待つ所存也。っていうか、地元のゲーム屋で全然見付からないのよ、2。探してるんですが。

そんなこんなで34回も続いてしまった「シェンムー 一章 〜横須賀〜」、途中二ヶ月もプレイ放棄(笑)した時期もあったが、無事にプレイ日記終了! ここまでお付き合いありがとうございました!
また、次のゲームでお会いしましょう。

[ 05.03.01 〜05.09.11 ]
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